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「…写真ないの?」
「あるよ」
図書館に行く日、待ち合わせ場所でノリで撮った2人ともめちゃくちゃ笑顔のドアップ写真。
「お前、こんな金髪のチャラチャラしたのが好きなの?」
「違うよ?」
「違わねーだろ」
「だって、ラウールくんはモテてるけど…別にチャラチャラしてない」
「モテるのに?」
「本人は気づいてないし…ラウールくん、すっごい人見知りなの」
「…嘘じゃん」
「話しかけられたら、あっ…はい。とか、えっ…いや…とか上手く話せないんだよ」
「陰キャかよ」
「でもね、仲良くなったらたくさんおしゃべりしてくれるの。それからよく笑うんだ。一緒にいてすごく楽しくて…気づいたら好きになってた」
「好きだから近づいたわけじゃねーんだ?」
「私、中学の友達とクラス離れちゃって、その子は同じクラスですぐ友達できてその子達とお弁当食べてたの。私は1人でも平気なんだけど、ラウールくんが教室の隅っこで1人なのを見つけて一緒に食べよーって声掛けた」
「お前コミュ力の鬼じゃん」
「人と話すの好きだから」
「…まあでも、話しやすいっつーか、会って間もないのになんかお前には話しちゃうんだよなぁ」
「ずっと長く一緒にいるわけじゃないから話せるんじゃない?」
「…」
「翔太くん?」
「そーいや、いつまでいるんだっけ」
「あと1週間」
「…そ」
それだけ言って視線を落とした。
そしてラウールくんの落書きをスッと撫でる。
「明日俺、店番だから来いよ」
「え…?」
「駄菓子、好きなもん買ってやる」
得意げにそう言ってふにゃりと笑う。
「…もっと高いもの、買って」
「お前、俺のバイト代根こそぎ持ってくつもりか?」
「ふふ、うん」
明日、翔太くんに何買ってもらおう。
食べすぎて太らないようにしなきゃ。
そんなことを考えながら明日も翔太くんと会えることがすごく楽しみだった。
ラウールくんに連絡しようなんて思っていたことは、すっかり忘れていた。
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aya(プロフ) - シリーズ読み直し月間♡担当様に辿り着きまたもうはうはなってます\(//∇//)\ほんとこのお話大好きで、一番読み返しています💙最後のヤキモチやきちゃん可愛いすぎからの〜急に出てくるオスみがやばいです(〃ω〃)ぐはー (9月18日 19時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - SNさん» ありがとうございます。ちょっと不思議なお話はなかなか書かないので、どうかな?と思いましたがそう言っていただけて嬉しいです! (8月6日 11時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
SN(プロフ) - 初めて感想書きます!主さんの書く小説は、全部最高すぎます!!!このお話もファンタジーの要素が最高すぎて号泣しました。これからも頑張ってください!! (8月5日 18時) (レス) @page38 id: 1341639bc7 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 月夜見(つくよみ)さん» コメントありがとうございます。私もついに人を泣かせる物語を書けるように…(調子乗るな)応援ありがとうございます。これかろもよろしくお願いします♪ (2022年6月11日 13時) (レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(つくよみ) - 初めて感想書きます!!最後の目覚める所見て、もうボロボロ泣きました…。感動系+結ばれる話、自分物凄く弱いんで、泣きました(二回目)主さんの書く小説好きなので、これからシリーズ読んで行こうと思います!これからも頑張って下さい!応援してます! (2022年6月10日 19時) (レス) @page39 id: 10b0189fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年11月29日 10時