愛してるなんてもう言えない。 【ころん】

16. ページ17

no . side



赤く染まる道路



聞こえる悲鳴



その真ん中には一人の少女



「A…？」


「嘘…だろ…？」


「Aちゃんっ！！」


「っあぁ…なん、でっ…」


「…A……」



歩道には悲しむ五人の少年



「…僕、は…

そうだ！Aは……！！」



一人の少年は外に走り出す



「っ、A…？


嘘でしょ？」



五人の少年の後ろに一人の少年




「っ、ころん…Aちゃんが…」


「な、んでっ…僕を置いて行くの…？

ねぇ、Aっ…！！！」



少年たちは泣いた



泣いて泣いて泣き続けた


・・・・・


今日は少女の葬式だった



真ん中には少女の笑っている写真


白い箱には少女が眠っていた



少年たちの目から溢れる涙は止まらなかった



「…っ、A、さようなら…」


少年たちは少女に別れを告げた


・・・・・


「なーぐんっ…」


「こ、ろん…な、に？」


「Aからっ、手紙がっはいってる…」



少年が少女から渡された鞄には六つの手紙




少年たちは一人ずつ自分宛の手紙を読んだ




中には手紙と写真が入っていた




「っあ…Aっっ！！

ごめん、ごめんね…！！」


謝る少年


「Aちゃんっっ……うぁっ…」


泣き喚く少年


「…Aちゃん……っ」


涙を流す少年


「…Aっ…！」


手紙を涙で濡らす少年


「っ、ふっ…A…」


手紙を読みながら泣く少年


「…っぐ…俺たちの、せいで…」


自分を責める少年





『もー…泣いてばかりじゃダメじゃん…』


頭上から聞こえる声


聞き覚えがあるその声で皆が顔を上げる



そこには＿＿



Aがいた



「A…？」


少年たちは声を揃えて言う



『うん。皆、私は幸せだったよ。
皆と過ごした時間、大好きだよ。今もずっと…でもね、今の皆を私は望んでないよ？もう、泣かないで？大丈夫、私はいつも皆を見守ってるから。だから、笑って！』



少女は涙を浮かべながら笑うと少しずつ消えていく



「待って、A…」



『皆、またいつか！じゃあね…！』



「A、じゃあね！！」



少年たちは少女とお別れした


・・・・・


今日はAの墓に来ていた



皆でお参りをしていた



「Aのおかげで今は幸せだよ…！」


「A、今は皆ですとろべりーぷりんすっていうグループを作ったんだよ！」



一人ずつ、話したいことを話していく



最後に皆で




「A、ありがとう！！」



『ふふ、こちらこそ！』

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