無慈悲な彼は女の子（軍パロ）【d！】 (ページ9)

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第8話ページ9

※血などの表現注意

「...はぁ？」

『...この瞳に、見覚えは無いようで？』

自分の目を指さしながらそう言えば、彼は怪訝な表情を浮かべた。

「...冗談言ってんじゃねぇ。そもそもA様は男だ。お前みてぇな女じゃ...っ！！」

『随分と口の利き方が悪いですね』

ジャケットの内ポケットから素早くナイフを取り出して、彼の首元に当てる。...あ、強く当てすぎちゃったかも。
ナイフを当てているところから、鮮やかな赤色がじわじわと染み出ている。

『では、私が”A様”であることを証明して見せましょう。...ですが、忘れてはならないことがひとつ。貴方は”A様”に殺されたいと望み、私はそれに応えてあげるのです。...ならば、それなりの対価が必要ですね？』

少し殺気を出しながらそう言えば、彼は身体をびくっと震わせ、魚のように口をぱくぱくし始めてしまった。
...あぁ、こんな殺気にも耐えられないなんて、彼の国は人選を間違えている。

『...では、始めましょうか。貴方がここに来た目的は？』

「...言うわけ、なｯ...！！！い”ｯ...！！」

『痛いですよねぇ...爪を剥ぐ訓練なんてないですもんね』

「あ"あ”ｯ...っ！！」

1枚、また1枚と爪を剥げば、彼は苦痛に満ちた叫び声をあげる。...あんまりやりすぎたら、情報吐く前に気失っちゃうかもな。
5枚目を剥ごうとしたとき、彼はやっと話し始めた。

「わ、わかったｯ！い”ｯ...も、目的を話せばいいのかｯ...？」

『ええ、そうです。あ、嘘はやめた方がいいですよ？貴方が信じるかは別として、私は我々国(ここ)の拷問官です...見破れないものなんてない』

「...嘘なんてつかねぇ。目的は、あれだ、そのー...我々国って軍事力すげぇし、他国との付き合いも上手いだろ？だから、うちの総統が見て来いって...ｯ！！」

『嘘は止(よ)せって、言ったでしょう？』

「あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ｯ！！」

ナイフを、致命傷にならない程度に彼のお腹に突き刺せば、彼はまた雄叫びを上げた。
腹から出てくる赤色が、少しずつ、彼の服に染みをつくっていく。

「ｯう”...わ、かｯ、た...うちの、そ、総統が、わ...我々国を潰したいｯ...て...」

『...は？』

「っほ、ほんと...ぅ、なんだｯ！！信じ...て、くれ...」

おそらく、この表情を見る限り、本当なんだろう。
...でも、なぜ？我々国が彼の国に何をした？

『貴方の国について教えて欲しい。そうしたら、苦しませないであげますから』