色恋。 ページ10
ちゃんと表に出して表現してくれるし、ちゃんと面と向かって好きって言ってくれる。
でも、ときどき不安になるんだ。
ほら、今日も。
「やっぱり、おねーさんがいっちばん可愛いよー!!」
「えへへぇ、そうかしら?乱数ちゃんに言われると嬉しい!!」
見ちゃった。
“おねーさんとの約束があるからちょっと出掛けてくるねー!”
こう言って家を出た乱数を見届けた後、私は仕事の打ち合わせのために外に出た。
その帰り、女の子と仲良さげに話す彼を見つけたのだ。
側から見たら二人はカップルのように見えるのだろう。
まあ乱数は例外なのかもしれないが。
考えるだけで黒い感情が溢れそうになる。
分かってる、様々な事情があるなんてこと。
背を向けたまま出て行くのは貴方、
それを誰も見ていない笑顔で見送るのが私。
分かっていてもただ、ただ一人待つのは辛いのに、どうして私はこうなってしまったんだろう。
二人で行ったたくさんの想い出だって、ときどき聞かせてくれた高くて甘いトーンのあの優しい歌声とか……
でも、それらは結局はほら、遊びだったんでしょう?
もうどうだっていい。
その場から駆け出して、倒れこむように家に舞い戻り、落ち着く間も無く、私はとあるところに電話を掛ける。
“はい?Aちゃん?”
『あ、遥さん……今からそっちに行っていいですか?』
“え?いいよ!彼方もいるし。おいで?”
理由も聞かずに快諾してもらい、財布と携帯と持ってそのまま家を出た。
『お邪魔しまーす』
遥「いらっしゃーい、今日はどうしたの?」
『いやー。ちょっと色々あって……』
遥「そっかそっか、とりま中入りなよ」
遥さんは4つ上で高校の先輩。
実際に同時に通っていた期間はないが、学習合宿で講師役で来てくれた時に知り合った。
それ以来姉のように慕っている。
彼方さんは遥さんの1つ上の旦那さん。
人気歌い手であり、最前線で活躍している界隈では知らない人はいないと言うほどの有名人。
MIXのことでよく相談に乗ってもらってる。
彼「あ、わたあめいらっしゃい。その様子だと、MIXのことじゃなさそうだけど」
『あ、彼方さん!……バレました?』
遥「Aちゃんはオーラが出るから分かりやすいよね〜」
『えー!マジですか』
笑う二人を見て少し気分が落ち着く。
二人と、少し話してから、“いってきます”と告げて、そこそこの頻度で入れて貰ってる防音室に向かった。
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真歩路(プロフ) - まぁらいおんさん» わあっ!見て頂けてるんですね〜!リクまでありがとうございます!書くのが遅い上に濃厚系もヘタなのですが、少しでもご期待に添えるよう頑張りますね、、!すごく嬉しいです〜! (2018年11月19日 19時) (レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
まぁらいおん - いつも見てます!すごくおもしろいです(´∀`*)リクエストいいですか??乱数が夢主に嫉妬して濃厚な感じの展開になっていくお話が見たいです!お願いしますm(__)m (2018年11月19日 18時) (レス) id: cb3aeae411 (このIDを非表示/違反報告)
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