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続き。 ページ9

二人きりになった病室。
ベットの上に座る乱数からポツリと一言。

「あれ、バトルが終わった後の記憶がないや……」

記憶を辿るように目を泳がせ、少ししてハッと何かを思い出したような顔をしている。

「そうだった。あの後舞台袖に戻ったら倒れちゃったんだ」
「うん。幻太郎から聞いた時ビックリしたよ。あんな話し方するんだ」

慌てている彼のことは見たことがないらしく、ちょっと驚いたように目を丸くさせた。

「待って、ボク知らない」
「ふふ。めちゃくちゃ焦ってたよ?」
「えーっ、聞きたかった〜」

じたばた、と言うかの如く手を交互に軽くばたつかせている。

「きっといつか聞けるよ」
「えへ、聞いてみたいな〜」

微笑む乱数をじっと見つめていると、自然と沈黙が流れた。

「ちゃんと見てたよ。らむのこと」

さっきまで楽しそうにニコニコしていた表情が少し崩れる。

「……負けちゃった。絶対勝つってAと約束したのに」

下を向いて悲しそうに呟く彼の瞳を真っ直ぐ見つめ、私はこう告げた。

「結果はそうだけど、すごくカッコよかったよ」
「A……!」

顔を上げ、キラキラとした目で見つめてくる乱数。

「頼もしかったし、誇らしかった。らむの彼女で良かった、って思った」
「えへへ、嬉しい」

彼はいつもよりもずっと力のない笑顔を浮かべた。

「それに、ここで終わりじゃないんでしょ?懲りず復活するんでしょ?」
「うん!もちろん!」

目を細めて掠れた声ながらも明るく肯定する彼。

「どこまでも付いてく。だからちゃん導いてね?出来ることならなんでもするから」
「ホント!?さっすがA!」

嬉しげに笑う姿は、キャッキャと効果音が付きそうだ。

「応援してる。ね、シブヤの王様(KING)?」
「ありがと!ボクの恋人(PRINCESS)っ!」

ニッコリしながら少し恥ずかしい言葉を落とす彼。

「んー。姫ってガラじゃないかな」
「えー!ボクがそう思ってるからそうなのー!」
「そんな、照れるじゃん!嬉しいけど……」
「あはは、Aらしいな〜!」

そんな話をしていると、消灯時間が来てしまったようだ。

「わー寝なきゃ!A!おいで?」

上体を倒してベットに寝転ぶ彼は自分の隣をポンポン叩く。
有難くお邪魔して、慣れぬ白い布団に2人で包まった。

私と手を繋ぎ、おやすみ〜と早速目を閉じる彼を見て、私も寝ようと試みる。


例え夜が来ても、また朝日が登り、そして輝いていく。

次の日の朝日は、とても綺麗だった。

色恋。→←続き。



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真歩路(プロフ) - まぁらいおんさん» わあっ!見て頂けてるんですね〜!リクまでありがとうございます!書くのが遅い上に濃厚系もヘタなのですが、少しでもご期待に添えるよう頑張りますね、、!すごく嬉しいです〜! (2018年11月19日 19時) (レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
まぁらいおん - いつも見てます!すごくおもしろいです(´∀`*)リクエストいいですか??乱数が夢主に嫉妬して濃厚な感じの展開になっていくお話が見たいです!お願いしますm(__)m (2018年11月19日 18時) (レス) id: cb3aeae411 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真歩路 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月20日 17時

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