決戦のその後で。 ページ7
テリトリーバトル当日。
私は現地の観覧席から全部見てた。
必死に言葉を紡ぐ姿も、何度傷つけられても立ち上がる周りと比べて明らかに小柄な身体も、負けが告げられた時の表情も。
呆然とその場にいた私は、ポケットで鳴った携帯に気付く。
つい数週間前に登録したばかりの名前を確認し電話に出た。
「はい、幻太郎？」
私が用件を問う前に、慌てて現在地を聞いてくる。
「1階南観覧席」
「今すぐ救急病院に来れますか？」
嘘を感じない切羽詰まった声に嫌な予感を感じた。
「バトル直後に乱数が倒れて意識が戻らないんです」
「わかった。今すぐ向かうね」
通話を切らず、柄にも無く全速力で言われた病院へ向かう。
「今敷地に入ったよ」
「裏玄関のところで待ってます」
それらしい入り口に近付くと、あの茶髪が見えた。
少し汚れた和服と顔に貼られた絆創膏がバトルの激しさを物語る。
こっちですと言う幻太郎に付いて中に入った。
斜め前を歩く彼は、足を引きずってるように思える。
「幻太郎、お疲れ様」
途中で声を掛けると、ぴたりと立ち止まったあと、ゆっくりと首を横に振った。
またすぐ歩き出した彼に、言葉を続ける。
「確かに結果はそうだったけど、幻太郎たちも凄かったよ」
肩がピクッと上がった。
「そう、ですか……ありがとう……」
もはや敬語さえ忘れた彼の声は、先程よりも柔らかい。
歩いて行った先で、淡い色の壁で目立つ項垂れる青紫があった。
こちらに気付いて顔を上げた紫と目が合う。
「ああ、Aか……」
「帝統もお疲れ」
「ごめん……」
きっとこの謝罪は、勝てなかったことと乱数のことなのだろう。
短い間に何度も見たものとは違う表情と長い前髪から覗く眼帯に胸が痛くなる。
「謝らないでよ。3人だって、すごく素敵だった」
「そうか……なんかありがとう」
先程の幻太郎と同じ言葉を口にする帝統。
「いえいえ。本当にそう思ったから」
乱数はこの中？と尋ねると二人同時に一瞬バツの悪そうな顔をした後頷いた。
集中治療室。
ドアに貼り付けられたプレートに事の重大さを思い知る。
そっと扉を開けると、カーテンの隙間から白に映えるピンク色が見えた。
カーテンの中の点滴の繋がれた傷だらけの細い腕と色白の寝顔に付けられた酸素マスク。
2つある椅子の片方に座って今日は配信しない旨を告知し、携帯をポケットに入れて、点滴のされていない方の手をすがるように両手で握る。
室内に小さく響く機械音と苦しそうな呼吸。
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真歩路(プロフ) - まぁらいおんさん» わあっ！見て頂けてるんですね〜！リクまでありがとうございます！書くのが遅い上に濃厚系もヘタなのですが、少しでもご期待に添えるよう頑張りますね、、！すごく嬉しいです〜！ (2018年11月19日 19時) (
レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
まぁらいおん - いつも見てます！すごくおもしろいです(´∀｀*)リクエストいいですか??乱数が夢主に嫉妬して濃厚な感じの展開になっていくお話が見たいです！お願いしますm(__)m (2018年11月19日 18時) (レス) id: cb3aeae411 (このIDを非表示/違反報告)
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