続き。 ページ6
人混みを抜けた先は芝生の丘。
周りに屋台はなく、人もあまりいなかった。
「ここまで来たら、お面とっていーよね!」
『あ、写真撮っちゃおうよ!』
籠バックからスマホを取り出し、後ろに人が写らないように写真を撮る。
撮り終わった瞬間お面を外し、端の屋台で買ったりんご飴に飛びつく乱数。
私たち、両端の屋台にしか行ってないじゃん。
そう思いながら彼の横顔をこっそりと写すと、昨日のように可愛く怒られた。
軽く謝って自分もりんご飴を舐めながら花火の開始を待つと程なくして最初の一発が打ち上げられる。
『おお、きれ〜』
「Aの方が綺麗だよっ!」
『ハイハイ』
しばらく花火を見つめているとちょいちょいと空いている袖を引かれる。
カメラを起動した乱数の携帯画面に気付き、2人で反対を向き、花火が上がった瞬間に一枚。
そして花火が終わった後もしばらくその場を動かなかった。
『凄かったね〜』
「ね!豪華だった!」
『あれ?今年で何回目だっけ?』
「ん〜。高1からだから、9回?」
高1で男女それぞれ4人で来た時のことを思い出す。
『わっ、そんなになるんだ。やば』
「来年で10年だね」
『来年も来ようね?』
「もちろん!2人で行こ?」
『今年もらむと来れて良かった!』
「ボクもAと来れて嬉しい!」
そう言ってニコッと笑った後、私の耳に唇を近づけで一言。
普段私よりも声の高い彼が、私よりもずっと低くなる瞬間。
「愛してる」
何回聞いても私の顔は耳まで、先程手にあったりんご飴以上に真っ赤になる。
『わ、私も、愛してるよ』
「えへへ、大好きだよっ!」
さっきの声は何処へやら。何時もの声でキャッキャと騒ぐ乱数。
『じゃあそろそろ帰ろっか』
「おっけー!」
また手を繋ぎ、来た道を引き返す。
もうほとんど人はいないようだ。
名残惜しさを感じつつ、来年に思いをはせる。
また来年も乱数と一緒に来れますように。
『あ、わたあめ買って帰ろっかな』
「もしかして共食い?(笑)」
『うるさい!(笑)』
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真歩路(プロフ) - まぁらいおんさん» わあっ!見て頂けてるんですね〜!リクまでありがとうございます!書くのが遅い上に濃厚系もヘタなのですが、少しでもご期待に添えるよう頑張りますね、、!すごく嬉しいです〜! (2018年11月19日 19時) (レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
まぁらいおん - いつも見てます!すごくおもしろいです(´∀`*)リクエストいいですか??乱数が夢主に嫉妬して濃厚な感じの展開になっていくお話が見たいです!お願いしますm(__)m (2018年11月19日 18時) (レス) id: cb3aeae411 (このIDを非表示/違反報告)
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