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顔出しNG。 ページ14

『ねえ』

私は今、あることを問いただそうといつもよりもずっと低いトーンで彼に声をかけた。

「ん?どーしたの?」

素の声と普段の作られた声の、素寄りの中間。女子の中で低めと言われる私の声と対して変わらない高さで彼は答える。

「確かに写真あげてもいいよとは言ったよ。でも、ちゃんと顔隠してねってらむに言ってなかったっけ?」

一瞬の驚いた顔を隠し、「え?ちゃんと隠してるよ?」と言う高い声に、無言で片方の頬に申し訳程度のスタンプのついたものが映されたスマホを差し出した。

「えっ、何のことか僕分かんない」

あからさまにしらばっくれる彼と思わずため息を吐く私。

「も〜!ため息吐くと幸せが逃げちゃうぞ!」
『も〜!あたし顔出しNGって前に言ったもん!」3

かわい子ぶって話題を逸らしてきた彼に、負けじと最大限に近いカワボを捻り出す。そんな私の姿が滑稽だったのか、彼はプッと吹き出した。その吹き出し方さえ可愛らしいのだから叶わない。ただ、今はそれどころではないのだ。

『で?なんで無許可で顔出させてるの?』
「え、ごめん」

その後に呟かれた言葉に照れている自分が悔しくて、でもその言葉が嬉しくて、思わずこう言ってみる。

『ん?なんて?もう一回言って?』

すると、彼はそっぽを向いた。でも、綺麗なピンクから覗く片耳が真っ赤なのが答えだろう。

「だーかーら!自慢したかったの!お前が!可愛いから!!」

バッとこちらを向き直すと、最近はよく聞くようになった地声でこう言われた。否、叫ばれた。

なんだその可愛い理由は。

『あーもういいらむホント可愛い許す』
「可愛いって言うな!」

いつもは“ボクかわいいでしょ〜?きゅるる〜ん(偏見)”な彼が、こんな表情でこんな声でこんなことを言っている姿を、他に誰が見られるのだろうか。優越感からか笑い声が漏れると、彼は頬を赤くする。

「なんで笑うんだよ」
『え、なんでも』
「変顔バラまくぞ」
『じゃあこの前の寝相載せていい?』

意地悪に笑う乱数に突きつけると、ふっと真顔に戻った。

「ふざけんな」
『ふふっ。じゃあ二人で自撮りしてソレあげてよ』

こう言えば、今度はぱあっと表情が明るくなる。撮った後は「Aありがとね!」なんて上機嫌。

もちろん、投稿された写真は、アプリで美化されていたものの、顔は隠されていなかった。ソレが一瞬でたくさんのいいねがついたことに私は嬉しく思ったのは、彼には秘密にしておこう。

望月の唄。→←続き。



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真歩路(プロフ) - まぁらいおんさん» わあっ!見て頂けてるんですね〜!リクまでありがとうございます!書くのが遅い上に濃厚系もヘタなのですが、少しでもご期待に添えるよう頑張りますね、、!すごく嬉しいです〜! (2018年11月19日 19時) (レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
まぁらいおん - いつも見てます!すごくおもしろいです(´∀`*)リクエストいいですか??乱数が夢主に嫉妬して濃厚な感じの展開になっていくお話が見たいです!お願いしますm(__)m (2018年11月19日 18時) (レス) id: cb3aeae411 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真歩路 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月20日 17時

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