#13 ページ18
「あ」
私の弱々しい声が、静まり返った生徒会室に響く。
整った7つの顔立ちが私に向けられ、14つの目が向けられていることを感じて、私は冷や汗が止まらなくなりそうになる。
聞こえるのは、時計の硬い音だけ。
だ、誰か何か言って...！
そんなことを思っても、皆さん何も言わないで。
あぁ、このことを瑠奈に言ったらきっと羨ましがられるんだろうなぁ...。実際は何も話さず、変な子、として思われるだけなのに。
「あ、えっと。...ごめんね、騒がしかったよね？」
勝手に思って悲しくなってしまったけど、かけられた声で私はハッと顔を上げた。
目が合ったのは綺麗なミルクブラウンの立花さん。
それに続いて、皆さんが喋り出す。
「ちょっと、あんた達がうるさいから、また苦情来ちゃったじゃない」
「は！？お前らも女子トークしてたじゃねーかよ」
「そーそー。今は人が足りなくて困ってるのに。」
「ね。こんな沢山人いるのに、なんで仕事進まないんでしょ」
「このメンツだと、話し込んで進まねえんだろ。」
「やっぱ、誰か募集するかぁ。」
「そーしようぜ」
...私、これ聞いていいやつなの！？
そう思っても、やはり言い出せないのが私。
とにかく早く帰りたい、という思いが頭の中をぐるぐる回り、気がついたら体が動いてしまっていた。
「す、すいませんでした。私、帰りますので！」
「え！？あ、ちょっと！」
引き止める声も無視し、私は一目散に駆け出した。
・
「ちょっとちょっとぉ！？」
翌日、あんなことがあったけども好きなゲームをして、よく寝た私は何ら変わりなく学校へ向かって、いつも通り席に着いた...はず、だった。
「うるさっ、瑠奈。朝なんだから、もうちょいボリューム下げて」
「そう言われてもねぇ...。」
「え、なに。雪菜まで？」
噂に敏感な瑠奈は、昨日聞いた話をすぐ翌日、私たちに話すことがとっっってもよくある。
そんな時は、私と雪菜が呆れながらも、ワクワクしながら聞いているのに...。
「夢乃っ、なんでそんな冷静な訳！？...もしや、掲示板、見てないでしょ！」
掲示板は、主に生徒会が連絡する時に使う。その他、委員会や部活動は違う、ホワイトボードがあるため、生徒会専用のもの。
私は見ないどころか、そこに行かないタイプだから...。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
幸香(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます！更新頻度が遅くて申し訳ないです...。これからも、面白くなるように頑張っていきたいと思いますね！ (2023年4月8日 13時) (
レス) id: 92d2701f7a (このIDを非表示/違反報告)
かぐや - 今日初めて読みましたが、早く続きが読みたくなってしまうほど面白かったです！これからも頑張ったください！！更新されたらすぐ読みます！！ (2023年4月4日 13時) (レス) @page17 id: a27b21d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんみき(プロフ) - 碧芭@カラフルパレット所属さん» ありがとうございます！ 更新は遅いですが、楽しんでいただけると幸いですm(*_ _)m (2022年10月2日 18時) (レス) id: 92d2701f7a (このIDを非表示/違反報告)
碧芭@カラフルパレット所属 - 本当に面白いです!!一日でも早くお話が見たいです (2022年10月2日 18時) (レス) @page8 id: bd8fc734b1 (このIDを非表示/違反報告)
ooooooooo - 更新頑張ってくださいね！応援してます！ (2022年3月9日 16時) (レス) @page9 id: 45f72197d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：幸香 | 作成日時：2021年12月27日 13時
