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＊ ページ18
もう一枚新しそうなタオルをもらって髪を拭く。ここまでくるとヘアスプレーとか言ってられない。ぱんぱん、とタオルで髪を挟み込んで水分を拭き取っていく。タオルを主人へと返せば、彼はどこか呆けた顔で私のことを見ていた。びっくりするわ。変に心臓動かさんといて。
そして、隠れていた感情。
「…どないした？」
「いや、」
「何や言うてみぃやぁ〜？やましいこと考えてたん？」
「…ちゃうよ。」
「？何やしおらしなって。いつもはもっとやかましいやん。」
ふい、と視線を逸らした彼はハァ、とため息を一つこぼす。そして頭にかぶせていたタオルをわしゃりと荒々しく掴む。視界がサッカーの大会のロゴで覆い尽くされる。片手でそのまま頭をぐしゃぐしゃと乱雑に拭かれる。
「あんぎゃ、」
「ほんまやかましいな。」
「何やな急に！」
「俺の前でくらい、いい加減照れてくれや。」
「は？なんのはな、」
「透けとんねん、あほ。」
ふわり。
柔軟剤の香りが雨の匂いに混じって鼻を撫でた。そのままタオル越しに何かを押し付けられたかと思えば、彼はこの大雨の中小屋から走り去ってしまった。
残されたのは、僅かな異性の香りと、雨の匂い、
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作者名：参加いただいた作者様方
| 作成日時：2022年6月4日 17時
