【d!】あいの風に飛んでゆけ【企画】 (ページ14)

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それから近所のスーパーで目的の物を無事買い終わり、空調がガンガンに効いた施設から出る

幾分かは日が落ちている筈だが、またあの暑苦しい思いをしなければならないのか…と考えると憂鬱だが、季節に怒っていても仕方がない

「暑くないか」という意味を込めて隣に居るコネシマを一瞥すると、鋭くて冷たいネオンブルーアパタイトがぶっきらぼうに細められる

海より浅く空より鮮やかなものを収縮したようなその瞳を見つめていると、手をグイッと引かれて自分がボーッとしていたことを思い知らされた

「ごめんごめん」と笑って誤魔化し帰路を歩く。何を思ったのか、コネシマはさっきスーパーで買ったであろうラムネを「ん…」と渡してきた

『？』

kn「……A、確かラムネ好きやったやろ。俺が買ったから飲めや」

『否、お金を払ったの私だかんね？』

kn「金払っとらんくても買い物かごに入れたら買ったことにはなるやろ。飲め」

強引だなあ…と内心苦笑しながらプシュッと中栓代わりのエー玉を玉押しで中に落とし、先程言いかけた言葉ごと中の炭酸水を喉に流し込む

シュワシュワパチパチ、と喉を刺激する炭酸ガスとさっぱりとした独特な風味が口いっぱいに広がるのを感じながらラムネを嚥下するのを繰り返す

ｶﾗﾝｯ…

ラムネ瓶の中身が空っぽになった頃にはもう家のすぐ目の前。鍵を使い玄関ドアを開けると彼はササッと家の中に入る

買った荷物を置いて靴を脱ぎ、私は鍵を閉めようとすると手に持っていたラムネ瓶が滑り落ちる

ｶﾞｼｬﾝ!!

瓶の割れた音がやけに大きく聞こえた気がした