【d!】あいの風に飛んでゆけ【企画】 (ページ2)

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Day1 陽もまた涼し／syp ページ2

蒸し蒸しと暑い日が続く。

今年の夏もまた一等暑いとテレビの天気予報で聞いた時から辟易していたけれど、一歩扉の外へ出れば辟易を通り越して何もかもが嫌になるくらいの日照りである。

そんな中でも長袖のワイシャツを腕まくりして、日焼け止めだけ塗ってあとはハンディ扇風機なんていう女子高生たちの強さには敵わないなぁなどと思いながら私は先日購入したばかりの日傘を差した。

遮光性抜群の少し良い日傘。大きさもデザインも、そして遮光性なんて申し分ない所か十分すぎる。

上空から脳天を突き刺すような太陽の光もこれがあればなんてことはない。空気の蒸し暑さはどうにもならないがこの日傘のお陰で体感温度はマイナス10℃……それは言い過ぎかも。

とはいえ湿度も高い屋外にずっといれば熱中症待ったなしだ。少し買い物に行こうというだけだったので日を改めようかとも考えたが明日からは土砂降りの雨な事を考えれば今日しかない。行くか、とサンダルの金具がきちんと留まっていることを再度確認して一歩。

「待って」

「んえ、」

腕を掴まれ後方に二歩。いて、という声のあと私の腕を掴んでいたその人物が日傘を持ち上げながら顔を見せた。

同棲中の彼氏であるショッピくんだった。

先程まで涼しい室内でぐっすりと眠っていたはずの彼は余程急いだのか、まだボタンも留めていないままのシャツをタンクトップの上に羽織った状態でマンションの玄関先に出てきていて、思わずどうしたのかと聞く。