前世は両面宿儺の妻だった。２【呪術廻戦】

心配性 ページ18

「東堂は確実に直で私達を潰しにくる。真依も私狙いで便乗してくるかもな。東堂は化け物だ。全員で相手して全滅するのが最悪のパターン」


確かに、あの筋肉ダルマは見るからして強そうだった。伏黒が吹っ飛ばされるくらいだし。


「だから足止めとして一人だけ、パンダか恵を置いて行くつもりだったが……虎杖、お前に任せる」
「ん？」
「索敵出来るヤツ減らしたくねーし。勝たなくて良い。出来るだけ粘って時間を潰せ」
「でも大胆に行けよ。ぶっちゃけお前は予定外の戦力だからリタイアしてもあんまり困らん」
「ひっでえ！」


悠仁があの呪術師と戦う…。しかも一人で。京都校の学長を含む上層部は悠仁を始末したがっている。もしかしたら生徒を使って悠仁に何か仕掛けるかもしれない。うん、十分にあり得る。呪術師はそういう奴らだ。少なくとも、ここに居る先輩たち以外は。


「先輩！」
「却下だ」
「え、」


お前の考えていることなんてお見通しだと言わんばかりにコチラを見る先輩。まだ、声をかけたばかりというのに。


「どうせ、私も悠仁について行くとかだろ。却下だ」
「……違います。護衛です」
「変わんねーだろ」


そうだけども。でも、心配なんだ。もしまた悠仁が死んだら。私の知らない所で、目覚めたら死んでましたーとか、笑えない。


「お前が抜けたら誰が作戦の穴を埋めるんだよ」
「……くう」


ど正論。返す言葉もない。唇を噛み締めるしか出来ない私を呆れたように見て、先輩はため息をついた。


「悠仁はお前が守らなきゃならないほど弱いのか？」
「弱、よ、うーん。一回死んでますからね」
「大丈夫、そんなに心配すんなよ。それに、一回死んでんのはAも一緒じゃん」
「私と悠仁を一緒にしちゃダメだって」
「………死んだ？」
「聞き流してください」


真希先輩と野薔薇は仲いいな。こそこそ耳打ちしちゃって。悠仁とコソコソ話とか成功したことないや……はあ、二人に言われたら諦めるしかない。


「じゃあ、なんかあったらコレ折って」
「ナイフ？」
「オイA！呪力を無駄遣いしてんじゃねえ！」
「必要経費です」


呪力で作り出されたナイフを受け取った悠仁は、不思議そうにそれを眺めて、懐にしまった。


「折ったらどうなんの？」
「秘密」


ナイフには私の呪力が詰まっている。だから、完全に切り離さない限り私に繋がる呪力を辿って悠仁の居場所が分かるようにした。ナイフに異変が有れば直ぐに気付ける。助けに行ける。

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