世界の中心にいるのはきっと貴方 ページ4
突然の笑顔は心臓に悪い。忙しなく鳴る心臓はバクバクを通り越した。初めて見る表情…好き！
「そうかそうか、お前は俺が好きか」
さっきから何度もそう言っているだろう。やっと分かってもらえたか。私は両面宿儺しか見えていないと。もう世の摂理。
「気が狂った訳でもなく、死から逃れるための嘘でもなく、俺が好きだから側に居たいと」
ケラケラケラ、愉快そうに笑う両面宿儺は私の頭に手を伸ばす。ポンポンと撫でられる感触に一瞬脳内が静止した。そして、撫でられていると理解した途端顔に今まで以上の熱が集まったのが分かった。心臓の血が逆流したと思うくらい全身が熱い。
「面白い奴だな」
「え、えと」
私の鼻先まで両面宿儺の顔が近づき、もう少しで互いの唇がくっつきそうだ。今まで以上に近くで見る瞳はやはり綺麗で、四つのそれは私しか映していない。心が躍る。
「お前を見ているのは面白い。だから、俺が飽きるまで側においてやろう」
飽きたら殺す
頭を撫でていた手はいつの間にか頸に移動していた。両面宿儺なら力を入れればすぐに折れてしまうだろう。私の生存権は両面宿儺が握っている。それが、堪らなく嬉しい。愛おしい。
「はい、貴方様のお側に居させて下さい。私の命が絶えようとも貴方の為に生きると誓います」
ちう、唇が触れた。一瞬の事で、瞬きしている間に離れてしまった。いと勿体無いことしたなり。
ボフン、脳がショートした。い、今、え？今起こった事を正しく認識した途端腰が抜けた。そのまま後ろに倒れた身体は両面宿儺の腕によって抱きとめられる。
「生娘にはちと刺激が過ぎたか？」
ええ、それはもう。脳がショートするくらいには。
ゆっくり頭を下され、知らない天井…いや、私の帰る場所となる天井が広がる。もう眠たい。色々なことが一気に起こって疲れた。これが死に際に見た都合のいい夢でも構わない。目が覚めた時に死んでいようとも、いい。幸せであることは変わらないのだから。
隣にはまだ両面宿儺の気配がする。私は貴方の事をまだ何も知らないけれど、
「お慕いしております」
ずっと好きですよ。何があろうとも、世界が貴方を否定しようとも、私は貴方の側にいます。一人には絶対にさせませんから。
ゆっくり、頭を撫でられる感覚が私の脳を溶かしていく。
あぁ、幸せだ。
「お前は、本当に面白い。殺されかけても尚、俺に愛を囁くのだから」
触れられた箇所がいつまでも熱を持っていた。
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ゆうちゃんンンン(プロフ) - コメント失礼します。この作品を作っていただきありがとうございます。大好きですもし良ければなのですが、前世の記憶が無いバージョン？を作って欲しいなと思っています。自分、悠仁と宿儺推しでして、図々しいと思われるかもしれませんが気が向いたら作ってほしいです (8月2日 13時) (
レス) @page50 id: f5df7aa05f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 大好きですぅぅ (2022年1月25日 1時) (レス) @page50 id: 639ef9d5fe (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - タイトルがモロ好みで作品も最高でした！最後の蛇足も良かったです！ (2021年6月22日 20時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
西 - たまに出る夢主ちゃんのツッコミっぽい口調がとてもおもしろいです。。ありがとうございます。 (2021年3月29日 2時) (レス) id: a86aefda0e (このIDを非表示/違反報告)
宿儺 - 宿儺マジ神かよ♪素敵 (2021年1月20日 19時) (レス) id: c0f52421e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年12月19日 15時
