千年越しに伝える想い ページ24
悠仁と並んで空き教室に向かう。五条に貰った案内図を頼りに教室に向かうが、何せこの学校広い。しかもこの紙にかいてある場所は本校舎とは違い旧校舎にあるようだった。
悠仁とたわいない話をしながら私の心臓は空き教室に近づくにつれ、大きく脈を打つ。もうすぐだ、もうすぐで旦那様を抱きしめれる。浮ついた心は顔にまで出ていたようで悠仁に本当にアイツのどこが良いんだよ…と溜息をつかれた。
「どこって全部だよ」
「それはさっきも聞いたって…あ、ここみたいだぞ」
着いたのは古い教室で、長い間使われてないみたいだ。ガラ、扉が開いて伏黒が顔を出した。
「あ、伏黒ー！こんな所で何してんの？」
「掃除だよ。五条さんに急に頼まれて…たっくあの人は…」
「あ、二人とももう着いたの？」
五条さんの声が背後から響いた。
「どういうことですか五条さん。急に空き教室の掃除をしろとか意味不明な連絡を送ってきたりして」
「あ、綺麗になってる。ありがと恵」
質問と違った趣旨の返事が返ってきて伏黒は御立腹だ。顔が不機嫌になっている。
「さ、二人とも入っておいで」
「ちょっと何するつもりですか」
伏黒が胸ぐらを掴みかかりそうな勢いで五条を問い詰める。飄々とした態度で笑う五条に眉間の皺が深くなる伏黒。分かる。ムカつくよね、その顔。
「まあまあ落ち着いて。今から面白いものが見れるから」
「面白いもの…？」
ごにょごにょ五条が伏黒に耳打ちした途端、伏黒の顔が勢い良くこちらに向いた。マジかよ…と、どことなく引いた顔をしてこっちを見るんじゃない。どうせ、ロクでもないことを吹き込まれたんだろう。
「悪いねA。もうちょっとマシな所でしたかったんだけど…なんせ上の連中に見つかると面倒くさくって」
「ここは治外法権だから大丈夫みたいな…？」
「まあそんな感じ。じゃあ、悠仁。宿儺と変われるかい？」
「オッケー任せといて…あ、A。宿儺に何かされたら言えよ。俺がぶっ飛ばしてやるから」
悠仁の中に旦那様がいるのにどうやってぶっ飛ばすんだろう。自分で自分を殴るみたいな…？それはちょっと面白い。ふふ、笑いが込み上げた。
「相変わらずお前の笑いの沸点は分からん」
顔に手が添えられた。壊物を扱うみたいに触れられた手は、私より幾分か体温が低い。ハッと顔を上げた。
四つの赤い瞳。ああ、好きだ。
「お慕いしております。旦那様」
嬉しそうに、旦那様は笑った。
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ゆうちゃんンンン(プロフ) - コメント失礼します。この作品を作っていただきありがとうございます。大好きですもし良ければなのですが、前世の記憶が無いバージョン？を作って欲しいなと思っています。自分、悠仁と宿儺推しでして、図々しいと思われるかもしれませんが気が向いたら作ってほしいです (8月2日 13時) (
レス) @page50 id: f5df7aa05f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 大好きですぅぅ (2022年1月25日 1時) (レス) @page50 id: 639ef9d5fe (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - タイトルがモロ好みで作品も最高でした！最後の蛇足も良かったです！ (2021年6月22日 20時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
西 - たまに出る夢主ちゃんのツッコミっぽい口調がとてもおもしろいです。。ありがとうございます。 (2021年3月29日 2時) (レス) id: a86aefda0e (このIDを非表示/違反報告)
宿儺 - 宿儺マジ神かよ♪素敵 (2021年1月20日 19時) (レス) id: c0f52421e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年12月19日 15時
