馬鹿みたいに、好き。

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Side of You





景色が綺麗なその川沿いの広場は


夜にはライトアップされるらしくて


まだ子供だった私たちは


また2人で来ようね、なんて言い合った。


覚えててくれたんだって思うと


瑞稀の彼女で良かったってまた、思っちゃう。






『…………約束、してたし』


「ふふ、覚えててくれたんだね」


『もちろん。きっとどのデートも覚えてるよ』





ねぇ。


そう呼ばれて彼が後ろに行くから


私もそっちに視線を動かすと


瑞稀が花束を持ってこっちに戻ってくる。





『あの、さ』


「うん……」


『ほんと、月並みな言葉しか出てこないんだけど


…………俺と結婚してください』


「へ………っ」


『こんなに好きな人、他に出会えないと思ってる。


この先ずーっと隣にいる人は


俺にはAしかありえない』




差し出される花束には


小さなカードが添えられていた。


" ブーゲンビリア : あなたしか見えない "


それを見た瞬間視界が滲んでいく。


少しだけ震える彼の手から


その花束を受け取ると


瑞稀の目も潤んでいた。





「こちらこそ。


一生、私のそばにいてください」


『っ………当たり前、』





瞬きすると無理矢理浮かぶ涙を抑えて


彼はポケットから小さい青い箱を取り出す。


これからの幸せが込められたそれは


きっと彼のたくさんの想いもこもってる。


似合うかなって着けた手を見せると


嬉しそうに笑って。





『俺が選んだんだから似合うに決まってる』




なんて照れ隠し。


それから数日間、着けられた手を見ては


嬉しそうに、満足そうに笑うから


ちょっと私も照れくさかった。






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