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「ほんとはね、お姉ちゃんにも迷惑かけてるの分かってるの。我儘でごめんなさい、泣き虫でごめんなさい･･････ぬいぐるみ、持っていって良いよ」
ぬいぐるみを手放すのは、やっぱりまだ嫌だった。
——でも、それがお姉ちゃんの役に立つんだから。
穏やかに隣で話を聞いてくれたお姉ちゃんの役に立つのなら、手放して悲しくなっても、後悔はしないと思えた。
「謝らなくて良いんだぞ。･･････ありがとう。ちょっと此処で待っててくれ。すぐに終わる」
お姉ちゃんは遠くに走っていって、途中で角を曲がって何処かの店に入る。
そしてその数秒後。
突然バーンッという耳が痛くなるような大きな音が響いて、地面が震えた。
思わず肩が跳ねて思いっきり耳を塞ぐ。
何が起きたのか分からなくて、どうしよう、どうしようと思いながらも自然と足がお姉ちゃんの向かった方向へ走っていく。
待っててって云われたのはちゃんと覚えているが、もしお姉ちゃんが怪我をしていたらと思うととても待っている気にはなれなかった。
「お、お姉ちゃん･･････？」
そっと壁から顔を出して覗き込むと、不思議な事に何も起こっていなくて、唯真ん中でお姉ちゃんが安心したように息をついていた。
「？」
首を傾げてお姉ちゃんに駆け寄ると、お姉ちゃんは少し笑って「来てくれたんだな」と呟いた。
「大丈夫だ。その、さっきの音は物に思いっきりぶつかってしまった音だから、心配しなくていいぞ」
それにしてはあまりに大きすぎる音で変だな、と思う。
だが、お姉ちゃんが云いにくそうに次の言葉を放った為、聞くタイミングを失ってしまった。
「その･･････渡してくれたクマさんは居なくなってしまったんだが、代わりにこの子を見つけたんだ」
そう云って、お姉ちゃんは背中から別のクマのぬいぐるみを出す。
そのぬいぐるみの姿を見て、思わず「えっ」と声がもれた。
あまりに失くしてしまったあのクマのぬいぐるみと似ていたのだ。
瓜二つと云っても良い程に、勿論お姉ちゃんに渡したぬいぐるみよりも更に似ていた。
「お詫びといったらあれだが･･････受け取ってくれくれるか。また大切にして、思い出を増やしてやってくれ。この子はまだ新しいからな」
「いいの･･････？」
「あぁ。元はと云えば、私が君から貰ったからな。返すのが普通だろう」
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風と衣(プロフ) - もなかさん» もなか様ありがとうございます！面白いと言って貰えて今とてもニヤニヤしております(笑)今回のオリジナル展開でも中原さんの活躍が出てきますので、どうぞお待ちください！ (2022年9月18日 20時) (
レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 作品拝啓させていただきました！とても面白かったです！私は中原さん推しなので夢主ちゃんとの絡みの話はニヤニヤしちゃいました（笑）更新楽しみにしています (2022年9月18日 17時) (レス) id: bae08d35f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風と衣 | 作成日時：2022年9月7日 0時
