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そうして探索も終えて隠れ家を出て、ピッキングで施錠する。
此の儘何事も起こらずに終われば良かったのだが。
隠れ家から出て少し離れたところで、帰ってきている夜帳と鉢合わせしかけた。
物陰に隠れて一度はやり過ごせたが、夜帳が通り過ぎた後に物陰から出た瞬間気配がバレて、夜帳の放つ銃弾から走って逃げる羽目になった。
何で銃の扱いまで上手いのだ羨ましい。
少しは分けてくれないだろうか。
だが、私の正体がバレていなさそうな事については幸いだった。
銃弾が切れた隙に距離を離すが、すぐに装填され足を撃たれた。
否、まだ走れる。
この程度なら、幼い頃裸足で逃げ続けた時よりもましだ。
だが、流石にこれ以上は逃げ切れないか。
次に来る痛みを覚悟して唇を噛むと。
『っぶねェ！！』
『！？』
背後に気配がして、黒い外套が視界の端にちらりと見えた。
振り向くと其の儘外套で包まれ、肩をぐいっと引き寄せられて狭い脇道に入る。
少し
『ありがとう、中也さん』
どうやら、中也さんが外套を広げて重力操作を使い、銃弾から守ってくれたらしい。
『Aはこれだから目が離せねェんだ、せめて俺の居ねェ間に傷付くなよ。俺はAみてェに瞬間移動なんて事出来ねェんだぞ』
『だが今守ってくれたよな』
中也さんが私の頭をぺしっと軽く叩いた。
手加減してくれたらしく、全く痛くない。優しい。
『当たり前ェだろ』
中也さんは一瞬言葉に詰まってふいっとそっぽを向いたかと思うと、わしゃわしゃと頭を撫でる。
乱雑なようで優しい手つきは、やはり兄のような感じがした。
『だが、悪ぃな。足怪我しただろ』
『この程度の怪我は慣れている。これだけで済んだのは中也さんのお陰であって、感謝こそするが謝られる理由など無いぞ』
怪我は大小関わらず、この職業に就いた以上、否、就いていなくとも良くあることだ。
その上、与謝野さんの解体の経験もあるのだから、慣れたどころではなく日常茶飯事だろう。
『Aが感謝してたとしても、俺が悔しいんだよ。Aが怪我すんのを止められなかった事が』
『優しいな』
『Aだからだろ』
それは特別扱いというものだろうか。
否、だが中也さんにも守りたい物や人は沢山ある筈だ。
断じて私だけではない、変に勘違いしてはいけない。
だが･･････何故こうも私の周りの人達は思わせぶりなのだろうか。
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風と衣(プロフ) - もなかさん» もなか様ありがとうございます！面白いと言って貰えて今とてもニヤニヤしております(笑)今回のオリジナル展開でも中原さんの活躍が出てきますので、どうぞお待ちください！ (2022年9月18日 20時) (
レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 作品拝啓させていただきました！とても面白かったです！私は中原さん推しなので夢主ちゃんとの絡みの話はニヤニヤしちゃいました（笑）更新楽しみにしています (2022年9月18日 17時) (レス) id: bae08d35f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風と衣 | 作成日時：2022年9月7日 0時
