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「まぁ、まず君の師匠が元々あの男と協力関係にあったのは確実だね」
意外にも、始めに話し始めたのは太宰さんだった。
確かにあの男が急に饒舌になった時、『裏切る』という言葉が出ていた。
元々師匠は殺し屋だったのだから、同じ黒社会の人間としての繋がりはあっただろうし、あの怒り具合からして間違いは無さそうだ。
思えば、初めて出会った時に師匠が云った”人探し”というのも、私の事を探していたのだろう。
「今のところ謎なのは、何故あの男がAちゃんに執着しているのか。･･････分からなくても良いのだけど、此の
太宰さんが物憂げに溜め息をつき、目の前のティーカップの中のスプーンをくるくると回す。
中の橙赤色が揺れた。
「あの男は"俺の処に来て欲しい"って云ってたよな。勧誘じゃないのか？」
国木田さんが怪訝そうに問う。
太宰さんはちらりと国木田さんを見ると、スプーンから手を離した。
「あれは嘘だよ。これはAちゃんが一番分かってるんじゃないかい？」
「あぁ」
それは何となく、男の言動を見ていて自然と分かってしまった事だった。
勧誘したいのなら、なぜ相討ちなどという事になったのだ。
勧誘の為に私を殺そうとしてくるのは可笑しな話で、その上自分が死ぬと分かってまで私を殺そうとしてきたのだ。
この恐ろしい執念は、勧誘なんてそんなものの為に産み出されるものではないだろう。
それに、男は『一人にしないで』と云い残していった。
あの時だけは、男の心の近いところに触れた気がしたのだ。
言葉の意味に関しては、まだ私には分からないが。
取り敢えず、今は情報を集める事に専念した方が良さそうだ。
「そういえば」
鏡花ちゃんがはっとしたように云ったかと思うと、何やら花束を運んで来る。
橙色の花びらがひらりと舞って、ゆっくりと床に落ちていった。
「これは？」
「あの男が居なくなった時、これが床に落ちてた」
丁寧に包まれている花束を受け取り、何の植物かを確認する。
「キンセンカとドクニンジン･･････」
キンセンカは良いが、ドクニンジンは名前の通り有毒だ。
昔は処刑にも使われていたと云う程の毒性の植物が、何故此処に。
「何でこんな物を置いて行ったんだろうねぇ」
与謝野さんが後ろから覗き込んで、不思議そうに首を傾げる。
「伝えたかったのは花言葉だろうな。ちょっと待ってくれ、もう少しで意味を思い出せそうだ」
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます！今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい！コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (
レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください！！ (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風と衣 | 作成日時：2022年7月10日 0時
