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否、今考えるべきはそれでは無い。
呑まれるな、この男に。
大事なのは自分自身の存在の意味を迷う事じゃなく、存在する理由を自分の手で作る事なのだ。
生きていく理由なんて元から無いのだから。
人からもたらされなければ、もしくは自分の手で作り出さなければ。
師匠から生きていくきっかけを貰った、そして師匠亡き今は、今度こそ自分の大事な人達を守る為に強くなる事、それが目標であり生きる理由だ。
きっと一生納得する日は来ないのだろうが。
「それでも不安からは逃れられないよ。そんなものに追いかけられながら生きてくなんて、なんて強情で哀れなんだろうね〜」
「次はっ」
「守るって？それで逆に助けられて、君の姉や師匠が死んでるのに」
そこを突かれたら痛い。
どれだけ私が無力なのかを突きつけられるから。
本当は、前向きであろうとするなんて苦しいのだ。
今だって心がグラグラと揺らされて、楽になりたい気持ちが顔を出している。
私の方が死ねば良かったなんて、何度思ったか。
何故、どんな時も優しくて私を何度も守ってくれた姉さんを、何も悪くない姉さんを死なせてしまったのだ。
私を導いてくれた、無愛想で厳しくも内面は何処までも優しかった師匠を死なせてしまったのだ。
優しい人程先に逝ってしまうのは何故だ。
私がもっと強ければ、私がもっと優しければ、もっと、もっと。
「確かに、私にはそんな素敵な力は持ち合わせていない」
自分で思っているよりもずっと、暗くて沈み込んだ声が出た。
だがそれでも、光を捨てきれなかったようだ。
「それでも、諦めない。それこそ誰も守れないと証明する事になる、だろう」
自然と続いて出たのはこんな言葉だった。
心の奥で、逃げたくないと叫んでいたから。
いっその事、心を折る事が出来れば良かった。
折れてしまえばどれだけ楽だろう。
だが折れない、折る訳にはいかない。
居場所を失った私に、再び居場所をくれた大事な人達が居る。
だから。
毒によるものなのか頭がガンガンと痛い。
嫌な汗は止まらず、すぐにでも離れたいが、今目を逸らしてはならない気がして、顔を歪めながらも男を見上げる。
「そうだね。だけど所詮人間はそんなもんだよ。悪足掻きなんて無駄だと思うけどね〜」
「悪足掻きで良いんだ。諦めて自分を見失ってしまったら、今度こそ本当に」
生きる意味を失ってしまう。
それでは駄目なのだ。
生きると決めたから、死ぬ間際までは足掻いてやる。
足掻く事くらいは私の自由だ。
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます！今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい！コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (
レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください！！ (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風と衣 | 作成日時：2022年7月10日 0時
