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一度カクテルを頼むのを止め、中也さんの話に相槌を打っていると、次第に
どうやら酔いが回ってきたらしいが、流石に寝る訳にはいかない。
「で其奴が——ん、A?」
しまった、ぼーっとしていて中也さんの話が頭に入ってこなかった。
「眠ィのか?」
「眠くは・・・・・・ない、寝る訳には」
「やっぱ眠ィんじゃねェか」
「そうだなぁ」
眠気に勝てずに今度は私が机に沈んで顔だけ横に向けると、中也さんは頬杖をついて少しとろんとした目をじっと私に向けているのが見えた。
何で見つめあってるんだ。
そうは思いながらも今目を閉じれば確実に寝る為、意地でも起きていようと目を開いた
謎の状況が続く。
かと思ったが、中也さんが慌てながら私の目を手で覆った事で、謎のにらめっこのようなものが終わった。
「いて」
ちなみに、勢いがあった為顔が普通に痛かった。
慌て過ぎだ。
「勝てねェ、そんな目で見んなよ」
「戦ってたのか?」
そんなに変な表情をしていたのだろうか。
中也さんの手を私の目の前から外して、不本意だと目で訴えると、中也さんは頭を抱えて呟く。
「あ”〜、Aは人前で酔うな」
「中也さんは」
「俺の前は良いんだよ」
「良いのか」
結局目を覆われた理由は謎の儘だが、とりあえずそのおかげで眠気が覚めた。
「にしても暑い・・・・・・な」
ぱたぱたと手で顔を扇いでいると、額に中也さんの冷たい手を当てられる。
どうやら、グラスを握っていたことによって冷やされたらしい。
「ん」
ひんやりとしていて気持ちが良い。
中也さんの手に擦り寄ると、中也さんは空いてるもう片方の手で私の手を掴んだ。
「中也さん?」
目の前の中也さんは何も云わず、顔を近付けてくる。
「何か怒らせ、な何でそこまで近付く?」
私も顔を後ろに引いて距離を取っていると、額にあった中也さんの手が頭の後ろに回った。
近距離から更に近付いた顔に反射的に目を瞑ると、一瞬遅れてこつんと額に何かがぶつかる。
「っ・・・・・・狡いだろ」
目を開くと、赤く上気した中也さんの顔がすぐ傍にあり、潤んだ蒼い瞳がゆらゆらと揺れていた。
互いの
「俺もなァ、理性が働かねェ時があんだよ。
A、此の儘キスされてたらどうする
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時