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「中也さん、君、どういう心算なんだ・・・・・・
揶揄いなのか褒め言葉なのか分からないんだが」

揶揄いであってくれ、褒められ慣れていないのだ。
どう返していいのか分からない。

「褒め言葉だよ」
「・・・・・・ありがとう」
「声震え過ぎだろ」
「つっこむな」

やはり慣れない事はするものじゃ無かった。
両手を顔から離してぱたぱたと手で顔を扇いでいると、少しは気持ちも落ち着いてくる。

「そういえば、話が逸れたな」

酔った後の話をしていた筈だと云うのに、いつの間に逸れてしまったのか。

「あ?確かにな。・・・・・・ほらよ」

中也さんはメモを取り出すとそれを破り、何かを書いて私に差し出す。その紙には住所が書かれていた。

「もしかして、中也さんの家か?」
「あぁ、知っといて損はねェだろ」

確かに、住所を知っていれば中也さんが酔い潰れた時も運べるが・・・・・・そう簡単に教えて良かったのだろうか。
紙を見つめて少し考えた後、私は有難く受け取る事にした。

代わりに、私も貰ったメモの下の方に住所を書いて紙を破り、中也さんへ渡す。

「私だけ家を知ってるのもな。これで平等だろう?もしかしたら使う時も来るかも知れないからな」
「警戒しなくて良いのかよ」
「それはお互い様だ」

それもそうだなと中也さんもメモを受け取ってくれる。
何となくこの遣り取りに安心感を抱きながら、ジントニックの最後の一口を飲んだ。

グラスの中身が無くなった事に気付いた中也さんが、「次はもう少し度数強いの飲むか?」と提案してくれる。

「飲んでみたい」

好奇心に突き動かされて即答すると、中也さんは待ってましたとばかりに次のカクテルを頼んだ。
次はブルドッグというカクテルで、ウォッカをグレープフルーツで割ったお酒らしい。

中也さんもウイスキーフロートを飲み終わり、追加でキールというカクテルを頼む。
そして暫くして目の前に置かれたグラスを見て、ふと記憶が刺激された。

「そう云えば小耳に挟んだんだが、カクテル言葉なんてものがあるらしいな」

花言葉ならぬカクテル言葉。
お酒にも意味があるとは思わなかった。

「そうだなァ。ちなみに、キールの意味は最高の出会い、らしいぞ」
「私達の出会いは・・・・・・出会って数秒で戦った事を考えると中々に悪いな」

出会い方としてはあまりに殺伐としている。
あの時は、真逆(まさか)中也さんと食事に行ったり他愛も無い話をしたり出来る程、関わる事になるとは思わなかった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 原作沿い , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時

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