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「気に入ったみてェだな」

その儘飲み進めていると、中也さんが嬉しそうに笑う。

「あぁ、確かに飲みやすくて美味しい」

そう頷いていると、まだ中也さんのグラスが減っていないのが目に入って、飲まないのだろうかと首を傾げた。

「随分と飲む速さが遅いな」
「お前の前でそう何度も醜態見せる訳いかねェだろ」

そう云えば食事に行ったあの夜の後、早いペースで飲んでいた中也さんが酔い潰れてしまったのだった。

「別に構わないが。その時はちゃんと私が運ぶ」
「A、前の事忘れたとは云わせねェぞ。何処に運んだか覚えてるよなァ?」

視線を逸らす。
あの時は潰れた中也さんを連れていくにも中也さんの家を知らず、自宅へ運ぶのも警戒されるだろうと探偵社の医務室で寝かせたのだ。

勿論(もちろん)、その夜は見張りとして私も医務室のソファーで眠ったが。

思えば、あれが今日の招宴(パーティ)と被っていたり、与謝野さんがたまたま早く社に来たりしていたら危なかった。

中也さんと食事に行ったのが一週間前の事。
一週間ずれていたら今日の招宴と被っていた。

扉を開けたら敵組織の幹部とご対面など、全くもって笑え無い。

「覚えている。次はマフィアの医務室に寝かせておくから大丈夫だ」

太宰さんとポートマフィアの社内を歩いた時、医務室と書かれたプレートを見た為場所は知っているのだ。

「しれっと潜入するんじゃねェ!そもそも、まだ人が居るんじゃねェか?」

夜はマフィアの時間。
確かにまだ人が居ても可笑しくは無いが、医務室だけなら見付からずに何とかなるだろう。

「医務室以外は入らないから・・・・・・否、医務室に普段人は居るのか?そうなると入れないんだが」

流石に中に居る人に何かをする訳にもいかない。
となると、選択肢としては・・・・・・。

「俺は廊下に置いてかれそうで怖ェな」
「そこまで薄情じゃ無い。その時は、君が良いのなら私の家に運ぶ」

前回はいきなり自宅に運び入れるのは駄目かと思ったが、事前に云っておけば問題は無さそうだ。
何も云わず(正確には云う暇もなくだが)に自宅に入れるよりは、要らない警戒をさせる事も無いだろう。

「お前危機感何処に捨てた!なら廊下に置いとけ、男を部屋に入れんな襲われるぞ!」

それは中也さんに襲う意思があるという事なのだろうか。

「襲うのか?」

首を傾げて問うと、何故か飲もうとしていた中也さんがむせて変なものを見る目で私を凝視した。
聞いただけなのだが。

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作品ジャンル:恋愛
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時

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