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そう云えば、まだ手を繋いだ(まま)だ。

国木田さんはその視線に気付いたのか手を離すと、耳を真っ赤にしてあたふたと弁解する。

「別に!決して!そういう意図があった訳じゃ無いからな!」
「そ、そうだよな!国木田さんだからな」

流石に、初めから恋人と間違われる事を意識していたら、手を繋いだりはしないだろう。
こういう事は好きな人とする事らしいからな。

太宰さんのような時は例外として。
生真面目な国木田さんなら余計にしなさそうだ。

「否・・・・・・A。俺だからといって安心しすぎるなよ」

あまりに真剣な表情で云われ、訳が分からずに首を傾げる。

「俺もこ、恋人がどうとか、そういう考えは・・・・・・一応持っているという事だ。今のが意図してなかったっていうのは本当だがな」
「つまり、好きな人が居るという事か」

国木田さんの表情がぴたりと固まる。
この反応は当たっていそうだ。

「へぇ、国木田さんの好きな人か。誰なんだろうな?」

国木田さんの顔を覗き込もうとすると、国木田さんは反対方向の斜め下を向いた。

「A」

ぼそりと呟かれた言葉を耳が拾って、その続きを待ってみるが、一向(いっこう)に返事が帰ってこない。
唯、その沈黙は時間が止まったかのように長く感じた。

「た、たた仮令(たとえ)Aでも、云える訳無いだろう!!」

そして(ようや)く返ってきたのは、そんな言葉だった。
国木田さんは顔を湯気が出るんじゃないかと思う程赤くしている。

「そうだよな。悪かった、ちょっと悪戯心が沸いたんだ。無理に答えなくて良い」

そう云うと、国木田さんは何故か溜め息をついて複雑そうな表情を見せる。

「・・・・・・どうした?」
(いや)、気にするな。俺も頑張らなければと思っただけだ。ほら、着いたぞ」

言葉の意味が気になるところではあったが、一度それから離れて高い建物を視界に入れる。

丁度今からデパートを開けようとしているようだ。
ちらりと備え付けられている時計を見る。

「おぉ」

凄いな、時間通りだ。

────

『この道具があると助かるな』
『利便性で考えるとこっちが・・・・・・』

『虹色のゾウリムシ・・・・・・』
『何でAが知っている!?真逆(まさか)太宰と同じ茸を——』
『何か、このキーホルダーが虹色のゾウリムシ、らしいんだが』
『は?』

『フライパンやまな板、包丁は無いと自炊出来ないな』
『もうまな板を割るなよ』

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 原作沿い , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時

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