検索窓
今日:11 hit、昨日:15 hit、合計:10,810 hit

ページ14

「なかなか分かってるじゃないか!目的の、豆腐の角で頭をぶつけて死ぬ自○法は失敗したのだけど」

太宰さんは少し不満そうに溜め息をつく。
堅豆腐を作った目的はそれだったのか。
一応それも自○法の内に数えているのは不思議だが。

「それだけ堅くてもか。豆腐の角をもっと鋭くする必要があったんだろうな」
「だけど痛いのは嫌い」
「あぁ、そう云えばそうだったな」

確かに痛いのは嫌いだと、前に太宰さんが云っていた記憶がある。
だとすれば——

「ちょっと、すみません!」

唐突に敦くんが私達に声を掛ける。

「さっきから何気に聞こえてくる会話が、可笑(おか)し過ぎて気になるんですけど!ツッコまないんですかAさん!?」

敦くんは私と太宰さんを見比べて、混乱している様子だ。
そんな敦くんの肩に、太宰さんは手を置くとにっこりと笑った。

「この場のツッコミは君だけだよ、敦君」
「そうでしたね!」

敦くんはヤケになって叫び、頭を抱える。
随分と元気じゃないか。

「・・・・・・ん?私は真面(まとも)な方だと思うんだが」

時間差で違和感に気付いてそう聞いてみると、敦くんは首を傾げながら云った。

(たま)にですけど・・・・・・Aさんもボケてます、よね?えっと、もしかして自覚無しですか?」

隣で太宰さんが思わずといったように吹き出す。
ボケているは酷くないだろうか。
そんな心算(つもり)は全くないのだが。

「私はまだそんな歳じゃ無いぞ。おばあちゃんになるのは何十年か後だな」

太宰さんが今度はお腹を抱えて笑い出した。
楽しそうなのは良いが、何故笑っているのかを教えて欲しい。

「敦君、そういう時は天然と云い給え」

太宰さんはそう云いながらも、まだ声が地味に震えている。

「そうです!Aさんは偶に天然なんですよ!」
「ふむ、異論ありだな。私の何処が天然だ。ちょっと・・・・・・討論しようか、敦くん」

非常に不服だ。

だが原因を特定しなければ、此の儘天然というレッテルを貼られるのも困る。
私が目指しているのは強い人間であって、断じて天然ではないのだから。

そして取り敢えず、ずっと笑っている太宰さんも止めて欲しい。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 原作沿い , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。