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誕生日と約束 ページ12

「おはよ——」

社のドアを開けた瞬間、パンッと音が鳴る。
目を瞬かせて前を見ると、ひらひらと紙吹雪が舞っていて、クラッカーを持った社員の皆の視線が私に集まっていた。

「誕生日おめでとう、Aちゃん!」

すぐ近くに居た太宰さんが私の手を取り、何やら料理の並んでいる大きなテーブルの前に誘導した。

「おめでとう!」

そんな祝いの言葉を皆から口々に受け取り、私は自分の誕生日だったのだと自覚した。
(ようや)くこの料理やクラッカーが私の為だと実感が湧いて、ふわふわと心が高揚する。

「あり、がとう・・・・・・」

今まで誕生日を気にした事も無かった為、祝われるのも初めてで、自然と涙が溢れていった。

「え!?ど、どうしたんです!?」

敦くんが慌ててティッシュを持ってきたのを受け取り、涙を拭う。

(いや)・・・・・・初めて、祝われたからな。嬉しかった」

自分でも誕生日を祝おうと思った事は無かったのだ。
だから真逆(まさか)、仲間から祝われる時が来ようとは。

「Aさん!」

ナオミちゃんが突進して来たのを受け止める。
骨が逝きそうになったが、そんな事を気にする余裕も無いくらいに幸福感で胸が埋まっていた。

「これからも沢山祝いますわよ!」
「ありがとう」

ナオミちゃんの頭を撫でると、ナオミちゃんは嬉しそうに笑った。

「それにしても、豪華な料理だな」

テーブルの上には、色鮮やかで新鮮なサラダや骨付きの肉、中心には大きなケーキが置いてあった。
聞くと、サラダや肉類は国木田さんお手製、ケーキは女性陣と乱歩さんが作ってたらしい。

乱歩さんに関しては、果物やクリームを乗せる度につまみ食いしている図が浮かんでくる。
というかそれを目的としていそうで、少し笑ってしまった。

それにしても、流石は国木田さんだ。
料理上手。
良いお母さんだな。

「皆、飲み物は手に取ったかい?」

与謝野さんがグラスを持って云う。
私は目の前に置かれていたグラスを手に取ると、頷いた。

「Aの誕生日を祝って、乾杯!」

カランと中の氷が音を立て、それを合図に賑やかな招宴(パーティ)が始まった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 原作沿い , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時

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