引越し準備 ページ2
遂に来た。
一人暮らしを始める時が。
給料も貯まり、家を借りて一人で生活しても続けられる程度のお金は出来たのだ。
まぁ、ぎりぎりではあるのだが。
もう既に家も借り、大きな家具類は購入してもう少しで家に届く手筈だ。
後は、まだ一人暮らしに足りていない物を買い揃えれば、住むことが出来るようになる。
そこで、今日はその買い物を国木田さんに同行して貰うことになった。
「準備出来たか？」
「問題ない」
お互い私服姿に着替えて、国木田さんの家を出る。
そして珍しい私服姿の国木田さんを見て、ふと思った事があった。
「そう云えば、国木田さんとこうやって二人で出かける事なかったな」
「ん”ん！！」
突然少し前を歩いていた国木田さんが咳払いをして立ち止まり、硬い動きで振り向く。
そして視線を彷徨わせる様子に、私は首を傾げた。
「何か緊張してないか？」
「気の所為だ」
それにしては随分と様子が変だが。
じっと観察していると、「見るな」と目を塞がれた。
やはり様子が変だ。
「行くぞ。開店時間が10時だ」
国木田さんは誤魔化すように云って、真っ直ぐ歩き出した。
国木田さんと行ったのはスーパーばかりで、目的の場所を知らない為、今日は徒歩と電車で行くのだ。
「国木田さん、駅に行くんだろう？ここは右に曲がると云ってなかったか？」
やはり国木田さんは緊張しているようだ。
国木田さんはまたもや立ち止まり、少し気まずそうに私の隣に戻ってくる。
微笑ましさに思わず笑い声を上げると、国木田さんは恥ずかしそうに顔を赤くし、目を閉じて眼鏡を押し上げた。
普段は真面目でしっかりしているのが、たまに抜けている時がある。
それがどうも可愛くみえて仕方がない。
「何だ」
私の視線に気付いたのか、国木田さんがちらりと私に視線を向ける。
「国木田さんが可愛いな、と」
「それは褒めている
正直に話すと、国木田さんは微妙な表情をして云った。
「褒めてる。国木田さんのそういう処好きだ」
「A･･････お前、何でそんな恥ずかしげも無く云えるんだ」
国木田さんが頭を抱えながらそっぽを向いてしまって、此方を向いてくれない。
悪い事は云っていない筈なのだが。
「好きだからだろう。鏡花ちゃんも可愛いし、与謝野先生も解体は恐ろしいが頼りになる。太宰さんも——」
「意識されてない事は分かった。取り敢えずAは紛らわしい事を云うの止めろ。口にガムテープ貼るぞ」
「な、何故？」
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます！今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい！コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (
レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください！！ (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風と衣 | 作成日時：2022年7月10日 0時
