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「やはり正直に話すと解りあえますね!僕の担当した事件では皆さんそうやって素直に告白して頂けるんですよ!」
「そうなんだ!」

敦くんに笑いかける賢治くんの背後から、男が飛び出して鉄パイプを振りかざす。
私が無言で鉄パイプを持っている男の手を掴んで捻ると、地面とぶつかる金属音と同時に男の呻き声が聞こえた。

「わ、びっくりしました〜」

賢治くんが振り向く。

「大丈夫か?」
「はい!こんな事もありますよね。田舎では牛の機嫌が悪くて云う事を聞かないのなんてしょっちゅうでした」

賢治くんは少し眉を下げて笑うと、一台の車の方へ歩く。

「そう云う時は——」

賢治くんがなんて事なさそうに車を持ち上げた。
(いや)、怪力にも程があるだろう・・・・・・。

男達は顔を青ざめさせて、賢治くんが次々と投げる車から逃げ惑う。
投げる車が無くなると、賢治くんは標識が目に入ったようで、標識を地面から抜いて振り回し始めた。

——宮沢家家訓『牛が逆らったら手近なもので殴る』

これは、情報をくれたあの人が怯えていた理由も分かる。

だが。

「こんな()り方もあるのか・・・・・・案外使えるかもな」
「Aさん!?」

取り敢えず犯人の(ところ)へ突撃、勘違いさせて誘き出し、纏めて叩く。

賢治くんのように上手くいくかはまだ実行していない為分からないが。
だが、賢治くんはこれを素でやるのだから凄い。

どさりと音がする。
遂に最後の男が倒れると、賢治くんはふぅ、と息をついて汗を拭った。

────

「国木田さん!僕には無理ですあんな遣り方!」

立ち寄った牛丼屋で、牛丼をかき込む賢治くんを横目に敦くんが叫んだ。
どうしたのかと目を向けると、国木田さんと電話中のようだ。

非常に青ざめて少し涙目になっているが、邪魔はしない方が良いだろう。

賢治くんに視線を戻すと、いつの間にか賢治くんは食べ終わっていて、無邪気な表情で眠っていた。

疲れたのか、異能が何か関係しているのか。
外套を脱いで賢治くんの背中に掛ける。

お疲れ様、そう呟いて、店内の喧騒から逃げるように窓の外を眺めた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 原作沿い , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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風と衣(プロフ) - Rio*さん» ありがとうございますm(_ _)mゆっくりと休ませて頂きます!今コロナ感染も多くなっておりますので、この時期の体調の変化にはお気を付け下さい!コメントは励みになるので、嬉しかったです(*^^*) (2022年7月14日 9時) (レス) id: 11e2fd2044 (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - しっかり休んでくださいね😢ご自分のペースで更新頑張ってください!! (2022年7月14日 0時) (レス) id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風と衣 | 作成日時:2022年7月10日 0時

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