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オロチは「ありがとう」と言うと彼も微笑んだ。
強い風が吹く。若いはずの緑の葉が何枚か飛ばされた。
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「ところで次はお前の話だ。あの日のことを五条悟から聞いたが、もう身体は大丈夫なのか？」
「身体は大丈夫」
神社を離れ、一本道を歩き出した二人。
見える限りに人影はなかった。
「ねぇオロちゃん」
ここではないどこか遠くの方を眺める水巫。オロチはいつもより、少し遠くなったところから彼女の顔を見上げた。
「悠仁を信じられなかった私は、もう彼の友達じゃないよね？」
その声は少しだけ、ほんの少しだけ感情を隠すように震えていた。
「俺には友と呼べる存在なんてなければ人間の感情のやりとりなんて分からない」
「だが、信じることだけが優しさというわけでもない」
「あの小僧も、黒髪のガキも茶髪の小娘も、誰もお前が悪いなんて思ってないさ」
石畳を歩く音が一つ止まる。それから、耳のいいオロチには、ぽちゃんと雫が落ちて弾ける音が聞こえた。
「(成長しろ、A。少しでも人らしくなるんだ)」
「(お前は優しい子なのだから)」
オロチは、振り返らずそのまま歩いて行った。
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佐藤れい(プロフ) - 林檎さん» 感想ありがとうございます…！ とても嬉しいです、まだ明かされていないことも多くてむず痒い点もあると思いますが、それも込みで今後も楽しんでいただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いします！ (2020年11月28日 10時) (
レス) id: 4f8cc240de (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - こんな夢主ちゃん待ってました。すごく面白いです。シリアスが儚い雰囲気の夢主ちゃんにぴったりで素敵です。更新頑張って下さい、応援してます。 (2020年11月28日 0時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤れい | 作成日時：2020年11月22日 18時
