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自転車を漕ぐ。身体をすり抜けていく風が気持ちよかった。
水巫の腕に巻きついてるオロチは向かい風で目がしょぼしょぼするようで、細めて瞬きを繰り返していた。
「蛇のくせに瞬きなんてするんだね」と、水巫が笑う。
「俺はただの蛇じゃないからな」と、オロチが拗ねたように返事をした。
こうして、二人はまだ誰もいないであろう学校に到着したのだった。
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駐輪場に着くが、そこにはもう使われなくなったものや誰かが部活の時に使うためだけに置いた自転車しかなかった。つまり、水巫が一番に学校に着いたのだ。
「やった、今日も一番！」
水巫はしっかり鍵をかけて少し離れた下足室へと向かう。
その前に確認したいことがあってグラウンドの方に目をやったが、やはりそこには奇妙な彼らがいた。
「見ると気付かれる」
「大丈夫だよ、貴方がいるし」
「A、前々から言ってるが俺は………ん？」
また楽観的な考えを持つ水巫に、説教を始めようとしたオロチが口を噤む。
「オロちゃん？」
不思議に思った水巫は、じっと前を見つめるオロチの視線を辿る。するとその先には見慣れぬ男子生徒が立っていた。
「私より早い人がいるなんて」
水巫は残念に思った。そして、そのままグラウンドを後にして、彼女が過ごす教室へと向かった。
_____その少年が水巫のことを凝視していたのは、オロチしか気付かなかった。
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佐藤れい(プロフ) - 林檎さん» 感想ありがとうございます…！ とても嬉しいです、まだ明かされていないことも多くてむず痒い点もあると思いますが、それも込みで今後も楽しんでいただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いします！ (2020年11月28日 10時) (
レス) id: 4f8cc240de (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - こんな夢主ちゃん待ってました。すごく面白いです。シリアスが儚い雰囲気の夢主ちゃんにぴったりで素敵です。更新頑張って下さい、応援してます。 (2020年11月28日 0時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤れい | 作成日時：2020年11月22日 18時
