ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

実際 ページ23

結局、お風呂に入る事は諦めて寝る事にしたけれども………。

別々だった筈が、朝起きたらしきかんどのの抱き枕にされてた。

しかも足がだね。

太ももで挟まれてしっかり腕も両腕で抱きしめられてて、起きる事が出来ない状態なんですよ。

はい、あの……ちょっと離して欲しいんですが。

そう思ってもしきかんどのはスヤスヤと寝息を立てるだけで、全く起きない。というか、ちょっと顔が色っぽいような。

「………本当に顔が良いな、この美少年め」

ちょっと頬っぺたを引っ張ってもバチは当たらないはず。

ﾌﾟﾆｯ

え、なにこれ柔らかっ！！

肌スベスベ、凄っ……もちもちだ。

ちょっとふにふにしてよう……。


ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ



なんか、ネコの肉球感覚がしてきた。

私はしきかんどのでしばらく遊んでいたけれど、なかなか起きない。

おかしいな……。

それで顔が更に色っぽくなった。

軍の指揮官がこれだけされて起きないっていうのはおかしい……というかこの人本当に寝てるの？

それに元はクラウスだから、寝起きは良いはず。

「A……ん……はぁ……」

相当幸せな夢でも見てるのか……表情がちょっとアレだし、なんか声も出てる……ヨダレも垂らしてるし。

しきかんどのが本当に寝てたら、なんか逆に心配してくるな。

………ちょっと試してみよう。

鼻をつまんでみると、口を手で覆う。

こうしたら息ができなくなって、苦しくなって起きるはず。

けれども、１分たっても起きない。

………肺が強すぎない？

でも長すぎると窒息するし、離そう。

本当に、幸せそうな表情……それにしては、やっぱり色気が強いけど。

こうなれば奥の手、あとは反応するかどうか……。

「しきかんどの、今起きたらキスしますよ〜。だから起きてくださ〜い」

「……あ、んんっ……」

ちょっとエッな声聞こえたけど、起きないな。

これはもう無理にでも離すか。

私はズリズリとゆっくり体を離そうとする……と、しきかんどのはわたしの横腹あたりに腕を回して抱き寄せる。

「…………離れ、るな」

顔の方に目を向けると、ゆっくり目を開けるしきかんどの。

やっぱり起きてた？

いや、でも……あとちょっとのところだったしな。それに、結構ゆっくり目を開いてるし。

「……？？」

それで何故か不思議そうに見てくるしきかんどの。

「……夢か」

そう言って少し残念そうで安心したようにしているのが見える。あの、どんな夢見てたんですかしきかんどの、どんな夢みてたの。

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