灯火の星 外伝 夢小説

その後です ページ20

ただいま、れんれんに頭を撫でてもらってます。ヤルダバオトみたいな巨体を１人で倒せた事の、ご褒美ですね。

最高か……。

まぁ、私がお願いしたんだけど。

本人曰く「いいよ」とか普通に言って、私になでなでをしています。

私の見た目が小学生で、相手が慈母神だからできること。

れんれんはちっこいのに懐かれたのが嬉しいのか、笑顔で撫でてくれる。

これぞ天国ですね、れんれんは私の推しだし……最高だ。

私も皆も笑顔になる。

それにしても、誰かに撫でられるのは初めてかも。

前世ではお母さんに撫でられてたけど、今世では一回もなかったから。

◇ほんわかとした空気が辺りに漂っている。



ｸﾞｲｯ


「？！」

『………。』



するとしきかんどのが急に私の腕を掴んで、出口の方に引っ張る。

「……しきかんどの？」

『さっさと出口に行くぞ』

そう言って、しきかんどのは私の腕を掴んだまま、こっちには顔を向けずにグイグイと引っ張っていく。

「は、はい。あの、もう引っ張らなくても大丈夫ですよ？」

『うるさい、そう言って前に居なくなった事を忘れた訳では無いからな』

それは軍に居た頃の話で、その話はまた今度の機会に。

そして怪盗団の皆を残して出口まで移動し、メメントスをそのまま持ってきたようなステージから出ていた。

「あの、しきかんどの？」

『……よく、対して知らない相手にあそこまで無防備になれたものだな』

そう言い、振り向く元上司。無表情はステータスなしきかんどのだけど、なんだか今はそれが怒っているように見える。

いや、でも私としては雨宮蓮がどういう人なのかは知ってるし。

かと言って前世の知識を言う訳にもいかない。

よって私の答えはこうなる。

「しきかんどのは逆に警戒しすぎでは？ あの人がどういった人なのか、だいたい雰囲気で分かりますよ。ここに連れてこられたファイターは、善と悪がはっきりしててわかりやすいですし」

けれどもしきかんどのは全然納得していないようで、余計に怒ってしまった。

『あの男はどうにも何かがある、それがあるから信用はしない』

かといって私に強要するのは変だし、それは違う。

きっとそれはしきかんどのだって、わかってるはず。

「なら、もし何かあった時はサポートしてください」

『それでは遅い』

まだご機嫌斜めだな、どうしようか。ちょっと茶化してみよう。

「もしかしてしきかんどの、蓮さんにヤキモチ妬いちゃったんですか？」

……何故か睨まれた。

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