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第十二話 ページ12
「お役に立てたのなら良かったです。」
Aはにっこりと笑いかけながら、そう返事をした。
少しだけ頭を過った言葉を、咄嗟に振り払って。
"私で良ければ、ずっとそばにいますよ"
(何て、さすがに馴れ馴れしいか。)
妻でもなく、恋仲でもなく、ましてや友達ですらない。
軽々しく永遠を誓えるような仲ではない。
それでも、今はそばにいても良いのだと時透は言ってくれた。
(それで十分だなぁ。)
平穏な日々があって、お茶とお菓子が美味しくて、
彼が隣にいる。
これから先、友達やそれ以上の関係になれることがなくても。
こうした日々が、Aにはとても幸せに思えた。
-
「Aは昨日何の夢見た？」
「こし餡………。」
「何で？」
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作者名：夢見草 | 作成日時：2021年1月2日 15時
