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第二話 ページ2
「何でこんな夜中に外に出てるの。」
少年は相変わらずの無表情で、Aに問いかける。
黒一色の洋服に身を包み、腰に刀をさしたその姿はこの時代では異様だったが、どこか特別な雰囲気を放っていた。
女の子と見紛うような線の細い顔立ちに、浅葱色に染まった瞳。
Aは、浅葱色の瞳を持つ美しい少年に、ただ目を奪われていた。
「ねぇ、聞いてるんだけど。」
苛立ちを含んだその声色に、Aはハッと我に返る。
すみませんと謝る声が、自然と小さくなった。
「少し、買い出しに行っていて……。帰るのが遅くなってしまい……。」
恐る恐る、というように言葉を発するAを、彼は冷淡な表情で見ていた。
「次から気をつけなよ。死ぬよ君。」
" 死 ぬ よ "
Aの脳裏に、あの化け物の巨体が過る。
少年の発した妙に現実味のある言葉に、Aは一人身震いした。
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作者名:夢見草 | 作成日時:2021年1月2日 15時