7日目(金) ページ12
. next day
千羅くんが告白するまで、あと1時間強。
あぁ、早退してしまいたい、なんて机に突っ伏したまま考える。
今日もいつもみたいに駅で待ち合わせて、手を繋いで学校へとやってきた。
いつもみたいに他愛のない話をして、千羅くんがおどけて、2人で笑って。
いつもと違ったのは、彼から少し、甘い香りがしたってことくらい。
このまま、彼の隣が私のものになればいいのに。
あの子なんかじゃなくて__。
ほんの少し、目に滲んだ涙を乾かすように、顔を勢いよく上げた。
「……あ。」
たまたま話に一段落が着いたらしく、顔を上げた佐野さんとバッチリ目が合う。
彼女の何かを射抜くようなその目付きに、私は金縛りにあったように目を逸らせずにいた。
見つめ合うこと、数秒。
ふと、何を思ったのか、佐野さんはずんずんとこちらへやって来た。
「野沢さん、さあ。」
睨みつけるような視線に思わず「ひ、」と声を漏らす。
「私に勝ったんだから、さ。」
「もっと嬉しそうにしてよ。」
「私は散々ないてさ、やっとの思いで諦めれそうなんだよ。」
「なのに、野沢さんがそんな幸せじゃなさそうな、泣きそうな顔してるとさ、」
佐野さんの目にじわりと涙が浮かんだ。
「諦めきれない、じゃん。」
「だからさ__。」
「千羅くんは別に好きじゃないと思うよ、私のこと。」
思わず口走ったその言葉。
佐野さんの顔が驚きに染まった。
「ねえ、それってどういう__。」
その時、タイミングがいいのか悪いのか、授業の開始を告げるチャイムが鳴り響き、その話はそれっきりとなった。
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チア - 初コメ失礼します!今更ごめんなさい。この作品は結構前によんで、面白いなぁ、と思っていました。しかし!どうにも頭から離れず、今日で読み返し30回ぐらいです(ガチ)不器用なセンラさんと夢主ちゃん、めっちゃ可愛くてギュンギュンしました。これからも応援してます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: 7affdc8850 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - ゆりるさん» コメントありがとうございます !! 返信が遅れてしまい申し訳ないです …… !! グイグイですか …… !! またセンラさんを書かせていただく機会がありましたら是非挑戦してみたいです !! (2020年4月8日 17時) (レス) id: 62e9d26ab9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりる - あ、青春だ…!!←当たり前 とても素敵な作品でした!センラさぁん…もう少し夢主にグイグイ押してもいいんじゃないですか!?例えば…パフェパフェパ(( (2020年4月1日 16時) (レス) id: 1d6446f46b (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 袋さん» コメントありがとうございます !! 沢山褒めていただき恐縮です …… !! これからも頑張ります !! ^^* (2020年3月29日 12時) (レス) id: 62e9d26ab9 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - CIEL☆さん» しえちゃんありがとう …… !! 偶然にびっくりしてる !! 笑 すごい嬉しいですありがとう !! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 62e9d26ab9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉莉 | 作成日時:2019年12月7日 15時