じゅう ページ12
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「とにかく私の話を聞いてくだ」
「A!!!!」
「チッ…間が悪ぃな冨岡ァ」
大きな音と同時に私の背後から突然現れた義勇さん。どうやら慌てて来たようで、元々癖毛である髪にさらに乱れが掛かっている
「不死川、此奴は違う」
前に出て私を庇う
「あぁン?どう見ても鬼だろォ」
「…既にお館様に話を通してある」
義勇さんの言葉に、不死川と呼ばれた男性は額に血管を浮かび上がらせ、「全然伝わらねぇ」といった表情をしている
うん…義勇さん、話が飛躍しすぎて正確に伝わらないですよ
私は彼の隣に立ち、正確な事を伝える
「私は一ノ宮Aです。両親が殺…され、鬼になってしまいました。理性はあります。人も喰らっていません。なので耀哉さんは…」
「…一ノ宮ァ?」
ピクっと眉を片方上げ、突きつけていた刀身を鞘に戻す不死川さん
反応からして、一ノ宮家のことを知っているよう
「…だからと言って"ああそうかい"と納得もしねぇだろォ!」
「ひっ」
容赦なく私に鞘を振り下ろしてくる。刃じゃない辺り、私を殺すことはしないようだ
しかしこの人にどうにかして私の存在を認めさせなければ、きっと他の人も私を許さない。なら、どうするべきか
彼からは鬼を毛嫌いしている空気が漂っている。だから、私も鬼が憎いという意志を伝えなければならない
「…私は、両親を殺した鬼舞辻無惨が憎いです。あの鬼に復讐するためなら私はどんなことでもやりますし、受けます。手段を選びません」
そう言い切ると、お腹の底から煮え滾る怒りがふつふつと沸いてくる。鬼舞辻無惨、あの鬼に復讐するためなら、私はなんだってする
こんなに怒りの感情が出てくるのは初めて。それ程私はあの鬼が憎い
「A…」
「…なんでも受けるなら、これはどうだァ」
そう言うと、不死川さんは鞘から刀身を引き抜いて自身の腕を傷つけ、態と血を垂らす
一体なんの意図があるのだろうと探っていると、ゆっくりと私の前に来て刀を向ける
「今からすることに耐えられなかったら、俺はお前の頸を斬る」
そして私の心臓に刀を突き刺した
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miyui(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年12月25日 23時) (レス) @page20 id: f42f8a7275 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - とっても儚くて素敵なお話だと思います!更新頑張ってください! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - さといも。さん» ありがとうございます (2019年10月18日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - あ、まってすきです (2019年10月15日 20時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sui | 作成日時:2019年10月1日 19時