・犯人・ ページ37
___…
マフィアへ戻り、首領室がある最上階まで案内してもらう。
コンコンコン_
「…お父さん、Aです」
鴎外「…入りなさい」
扉を開けて、首領室に入る。
お父さんは苦笑いを浮かべていた。
鴎外「太宰君から簡単な話は聞いているよ」
美夜「犯人が分かったって?」
「…一連の騒動の犯人は_準幹部の蘭堂さんだよ」
鴎外「…間違いないのかい?」
「うん。証言を聞きに言った時、蘭堂さんはこう言った。
“「黒い炎の《荒覇吐》を目撃した時、遠くに見える海だけが、灰色の鋼のように静かに凪いでいた」”と。
また今までの噂は全て先代首領を見たという証言に対して蘭堂さんは《荒覇吐》本体を見たとも。
可笑しいと思わない?
あの擂鉢街は直径二粁ほどの巨大な爆発地の中からだとどうやっても海なんか見えないんだよ。
けど、蘭堂さんの他の証言は完璧で真に迫る迫力があった。なら、どうして蘭堂さんはそんな初歩的なミスを犯したのか…蘭堂さんは本当に「海」を見たから間違えたんだよ。
あの擂鉢街から海が見えるのは八年前の爆発より前しか有り得ない。つまり、蘭堂さんは擂鉢街を生み出したあの厄災_《荒覇吐》の噂
《羊》の噂好きさんが言ってた。《荒覇吐》の最古の噂は八年前の、例の擂鉢街をつくった爆発だってね。多分だけど、その爆発を起点にして《荒覇吐》という古神の噂が囁かれはじめた。
その爆発を遠目から見たが他の人が居たんだろうね。だけど、蘭堂さんはそれを間近で目撃した。本来なら蒸発してしまうほどの間近で。
その記憶をなるべく正しく言葉にした結果が、証言に「海」なんていう要らないものが入り込んでしまった」
森「成程…確かに芯が通ってるね」
美夜「けど、彼は先代派よりも現状派でしょう?それなのにどうして内乱を誘発してマフィアを潰そうと企むの?」
「蘭堂さんの本来の目的はマフィアを攻撃することではなくて別にあったからだよ。
恐らく…彼の目的は《荒覇吐》自体。
《荒覇吐》がどこにいるのかが気になって…
《荒覇吐》の嘘を見抜けるのは、本物の《荒覇吐》を知る者だけ。証言の時に《荒覇吐》を正確に表現してたんだけど、それは自分自身で真実を知る者を釣るためだったんだよ」
.
463人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» ありがとうございます(嬉涙)!最後までお付き合いしてくださると幸いです! (2021年5月23日 21時) (レス) id: 1f828cefa4 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 二人が出会い、少しずつ距離が近づいていく様子がとても悶えました(*´∀`*)ポッ あと少しで完結してしまうのは寂しいですが、ずっと応援しています(´;ω;`)ウゥゥ (2021年5月23日 17時) (レス) id: 05f36a1a18 (このIDを非表示/違反報告)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» 嬉しい限りです…!(歓喜の涙) 更新はノロマですが、これからもセンセイシリーズ含めてよろしくお願いいたしますっ…! (2021年4月7日 20時) (レス) id: f262e556de (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - Maya-舞彩-さん» いえいえ!私こそ、いつもMaya-舞彩-さんの書く小説に元気づけられています!ついに二人が出会って、これからどうなっていくのかとても気になります( ^)o(^ ) (2021年4月7日 16時) (レス) id: 05f36a1a18 (このIDを非表示/違反報告)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» 毎回コメントありがとうございます!!天音さんのコメントが励みになってます……!本当にありがとうございます!期待に添えるよう頑張ります!! (2021年4月5日 23時) (レス) id: f262e556de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Maya-舞彩- | 作成日時:2021年4月2日 12時