・最適解・ ページ36
___…
太宰「A」
電子遊戯場から出て、「絶対俺が先に犯人捕まえてやる」と言って何処かに去っていった彼を見届けると治から声をかけられた。
いつもより少し低い声。なんだろう、嫌な予感がする。
「…なーに?」
自分の不安を感じ取られないように普段と変わらぬ調子で話す。
けど、こんなことしたって治にはバレバレだろうけど…何となく、こうしないとと思ってしまった。
太宰「ここから先の調査はAは危険だ。Aはマフィアに戻って今までの現状報告をして」
「…つまり、犯人確保から私を退けると?」
太宰「そうだね」
嫌な予感が当たった。
治が言ってる事はわかる。だって私も犯人が分かっているから。相手は異能者で、尚且つ階級も高い。
完全に異能力が開花していない私はきっと足でまといになる。
太宰「Aが邪魔だからという訳ではないんだ。だけど_」
「…判ってるよ。
これが最適解なんでしょ。私の異能力は、最悪私自身を滅ぼすことになるから。けど、鍛えれば最大の武器になることも理解してる。
今じゃなくて、将来の事を考えると私は連れて行けない。それは理解してる。
それに、銀の託宣を受け取ったのは治で、私は既にマフィア構成員。命令なら従わなければならないしね」
太宰「…Aは優秀過ぎて心配になるよ」
「ふふ、駄々捏ねた方が良かったりする?」
太宰「まあ、時と場合によるかな。
今回は駄々捏ねない方が助かるけど」
「…じゃ、私はマフィアに戻るよ」
太宰「うん。じゃあ」
私に背を向けて歩き出す治。
「…治!」
太宰「どうしたの?」
「死んで戻ってきたら許さないから。あとあの犬も連れてきてよね!」
太宰「判ってるよ。お互いするべき事を頑張ろう」
ヒラヒラと手を振り、治は目的地へと向かう。自分もマフィアへと戻るために歩き出す。
「…自分の力不足が悔しい」
もっと自分が異能力を上手く使えていたら…
そう思うと、未だどちらも上手く使いこなせていない自分に怒りが湧いてくる。
「早く、追いつかないと…」
治も彼も、四歳しか歳の差がないのに完璧に使いこなせている。
視界を歪ませていた、水滴を拭う。
今はこんな事考えてる場合じゃない。
速く戻ってお父さん達に知らせないと。
「…よしっ」
顔を上げ、本部に向かって駆け出す。
大丈夫、治ならなんとかやってくれる。
私もやるべき事をしないと。
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Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» ありがとうございます(嬉涙)!最後までお付き合いしてくださると幸いです! (2021年5月23日 21時) (レス) id: 1f828cefa4 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 二人が出会い、少しずつ距離が近づいていく様子がとても悶えました(*´∀`*)ポッ あと少しで完結してしまうのは寂しいですが、ずっと応援しています(´;ω;`)ウゥゥ (2021年5月23日 17時) (レス) id: 05f36a1a18 (このIDを非表示/違反報告)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» 嬉しい限りです…!(歓喜の涙) 更新はノロマですが、これからもセンセイシリーズ含めてよろしくお願いいたしますっ…! (2021年4月7日 20時) (レス) id: f262e556de (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - Maya-舞彩-さん» いえいえ!私こそ、いつもMaya-舞彩-さんの書く小説に元気づけられています!ついに二人が出会って、これからどうなっていくのかとても気になります( ^)o(^ ) (2021年4月7日 16時) (レス) id: 05f36a1a18 (このIDを非表示/違反報告)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» 毎回コメントありがとうございます!!天音さんのコメントが励みになってます……!本当にありがとうございます!期待に添えるよう頑張ります!! (2021年4月5日 23時) (レス) id: f262e556de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Maya-舞彩- | 作成日時:2021年4月2日 12時