・続・ ページ28
___…
「誅伐する必要はないんです。私達の目的は先代復活の噂を大衆に晒すことですから。てことで蘭堂さん、こんな状況ですが、聞きたいことがあるんですけど…いいですか?」
蘭堂「ううむ、いいとも。銀の託宣を持つ者とお嬢様の指示には逆らえぬし…そうでなくとも森殿は私を高く取り立てて下さった恩人…」
太宰「それは良かった。それじゃあ、蘭堂さんが擂鉢街で目撃した《荒覇吐》について詳しく教えて貰おうかな。犯人に繋がる情報は、今のところそれしかないから」
蘭堂「ああ…あれは…善く憶えているとも。
_忘れるものか」
蘭堂さんは、毛布に顔を埋めるように俯いた後、小さく呟いた。
「蘭堂さん…?」
蘭堂さんをよく見ると蘭堂さんの手は震えていた。
この震えは寒さからじゃない。
蘭堂「私は…生き残った。だが、周囲の部下はことごとく…燃えてしまった。あの黒い炎に…太宰君、お嬢。君達の作戦は正しい。犯人を誅伐するのではなく、企みを暴くのみに止める…そうしたまえ。そうすべきだ。
何故なら、あれは本当に、神なのだから。人間が束になっても敵う可能性は全くないのだから…」
蘭堂さんの寒色の瞳には、ハッキリと恐怖に揺れていた。これほどに怯えた顔は見たことなかった。百人の屍が転がる抗争の路上でも眉一つ動かさなかったのに…
太宰「詳しく話してよ蘭堂さん」
「はい。蘭堂さんには申し訳ないですが面白くなってきました」
蘭堂さんはひとつ咳払いし、陰鬱な目で私達を見て口を開いた。
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蘭堂「__そのような存在を、この国では《神》と呼ぶ。それ以外にどんな呼びようがある?」
蘭堂さんの言葉はそこで途切れた。私達はすぐには口を開けなかった。
蘭堂「すまない…君達は先代の復活を《荒覇吐》の力のおかげではなく、敵異能者による偽装であると証明したかったのだろう。だが、今の話を首領に報告すれば…むしろ《荒覇吐》という神の実在が現実味を帯びてきたように首領は感じる筈…君達の調査が無駄足になるやも」
太宰「いや、なかなかに興味深い話だったよ」
「はい、今の話のおかげで全部判りました」
中也「何だと?」
私と治は体を半回転させて、彼を見てニヤリと笑った。
太宰「だから、トリックと真犯人が判ったんだよ」
「これで事件解決だよ」
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蘭堂さんの話は割愛させていただきましたm(*_ _)m
Maya-舞彩-
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Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» ありがとうございます(嬉涙)!最後までお付き合いしてくださると幸いです! (2021年5月23日 21時) (レス) id: 1f828cefa4 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 二人が出会い、少しずつ距離が近づいていく様子がとても悶えました(*´∀`*)ポッ あと少しで完結してしまうのは寂しいですが、ずっと応援しています(´;ω;`)ウゥゥ (2021年5月23日 17時) (レス) id: 05f36a1a18 (このIDを非表示/違反報告)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» 嬉しい限りです…!(歓喜の涙) 更新はノロマですが、これからもセンセイシリーズ含めてよろしくお願いいたしますっ…! (2021年4月7日 20時) (レス) id: f262e556de (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - Maya-舞彩-さん» いえいえ!私こそ、いつもMaya-舞彩-さんの書く小説に元気づけられています!ついに二人が出会って、これからどうなっていくのかとても気になります( ^)o(^ ) (2021年4月7日 16時) (レス) id: 05f36a1a18 (このIDを非表示/違反報告)
Maya-舞彩-(プロフ) - 天音さん» 毎回コメントありがとうございます!!天音さんのコメントが励みになってます……!本当にありがとうございます!期待に添えるよう頑張ります!! (2021年4月5日 23時) (レス) id: f262e556de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Maya-舞彩- | 作成日時:2021年4月2日 12時