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容姿も良くて、頭も切れる。口は悪いけど頼りになるときはなって。
呪術センスも抜群で、極めつけには五条家の当主。

…なんだよね、五条悟という人間は。



『…なんだかんだ言って非の打ち所がないんだよね、五条は』



無防備な寝顔に向かってそう呟く。

それにしてもなんて綺麗な寝顔なんだろう。ずっと見ていられるくらい、綺麗。
でも、少年のようなあどけない顔つきは微かに残っていて。

…こんなの、好きにならない方がおかしいのかもしれない。

…そんな人に私は果たして釣り合うのでしょうか。
というか普通に考えて、どうやっても五条が私のことを好きになってくれる要素なんてないような気がする。

あ、そうだ。今のこの五条が寝ているという状況を利用して、耳元で「好きになーれ」って永遠に囁いてみる? そしたらワンチャン潜在意識に働きかけて誤作動起こして私の事好きになってくれたりして。


………いやいやいや。人として最低だよねそれは。




『…五条さん。どうやったら私のことを好きになってくれますか?』




なんだか悲しくなってきてツンツン、と五条の頬をつつきながらそう呟くと。





「――――好きだよ」




『…!!? ちょ…!!…っ』






思わず、その場から飛び上がりそうになった。

…。これは流石に。

例え寝ぼけていたとしても。


―――卑怯、だ。



…というか叫ばなくて良かった。もし今ので五条が起きたら私は消えたくなっただろう。
でも、相変わらず私の体は固まったまま。…それと同時に胸の内に湧き上がる、熱くて甘い感情。


…本当に、勘違い、させないでほしい。




『…バカ』




あぁ、モヤモヤする。
私は私の事をこんな風にさせた、今でもスウスウと気持ちよさげに眠っている同期をジト目で見つめる。


でも…もし、もしもだよ?


貴方が私のことを好きになってくれる、そんな世界があれば


貴方とこの感情を分かち合える、そんな世界があるのなら


…迷わずそこへ行くのにな。





『って、なに言ってんだろ私』




そんな事、天変地異が起きてもありえない話だ。
…こんな馬鹿げたことを考えちゃうのは疲れのせいかな。




『だとしたら早く寝よう…』



私は布団を頭から被って、霧がかった心を抱えながら眠りについたのだった。

好きかどうかなんて→←眠気に溺れ



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作者名:すば | 作成日時:2022年11月20日 20時

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