好きになっては、いけないのに。 (ページ2)

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圧倒的なページ2

そうして、私は任務で指定された場所にたどり着いた。

…結局、五条達の反論を押しのけた形にはなってしまったけど。それは同時に五条たちの心配してくれた気持ちをないがしろにしてしまったということを意味する。

…だけど、もう後戻りは出来ない。

ここ…

――――比叡山は魔窟だから。

もちろん呪霊もだし…

――呪術師も、ね

：
：

「…ほう。次は女か」

『…!? 誰』

現着して数十分が経った頃。
どこからともなく、人間と思われる声…推定するに若い男の声が聞こえてきた。

――呪詛師か。

…というのも実は予想通りだったりする。今回の案件の黒幕は呪霊ではなく、厄介な「呪詛師」かもしれない―――という私の勝手な思惑ではあるけど。

普通呪霊だったら流石にここまで手こずりはしないだろうし。それと情報が0なのもありえないし。

だが、ここで呪詛師と断定してはいけない。
この世界はまだまだ未知なる事が多いからね、もしかしたら人型の呪霊かもしれない…という思考も頭の片隅に入れておく。

呪術師は様々なパターンを頭の中で展開し行動するものだ。
…もちろん、最悪のパターンもね。

「…お前、一人か?」

『えぇ、一人ですが何か…って、貴方とお喋りする気はない。さっさと出てきなさい』

「出てきたところでお前はオレを殺しにかかってくるだろう」

『…まぁ呪術師なんで』

「そうか。…まぁいいだろう…――――久々ににオレ直々で手を下すのも」

「それ」がそう言ったと同時に、周りの木々がざわざわと音を立て始める。

そして殺気。

ピリピリと私の全身に圧をかけてくる感触に、

『(来る―――!!)』

と思い、周りに空気の力場を作った直後。

『え』

それは一瞬だった

「…ほう。この攻撃で気絶すらしないとは。お前、強いな?」

『え…あ、…え?』

目の前になにかが来ると思った直後、「それ」は私に手を下していた。

いつの間にか地面に倒れていた私と、…私の上に馬乗りになって座っている「何か」。

その「何か」を視認したいというのに、私の視界は白くかすんでいて、視認することが出来ず。頭もぼんやりしているのが分かった。

…軽い脳震盪を起こしたか…。

ぼんやりとした脳内でそんなことを推察していると、「それ」は私に馬乗りになったまま話しかけてきた。

「オレはお前が気に入った。名は?」