散歩に ページ24
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日付が変わった頃、深夜。
『あ』
「…お」
あの世とこの世が繋がるといわれる時間帯、丑三つ時。
そんな時間帯にも関わらず妙に目が覚めきっていた私は、軽めの散歩をしようとパジャマ姿のまま自室を出てきた。
まるで墨で塗りつぶされたかのような寮の廊下。
今にも幽霊…というか呪霊が出てきそうな雰囲気だったんだけど…
「お前こんな時間になにしてんの」
呪霊ではなく、任務帰りの五条と遭遇した。
『ちょっと寝付けなくて…散歩してこようかなって』
「散歩って高専で?」
『うん。流石に外には出ないよ。…五条は任務帰り?』
「おー。今帰ったばっかだよ。…にしても今回祓った呪霊が夜型の呪霊だったなんて聞いてねー…いつまで経っても出てこねーなーと思ったらこんな時間になっちまった」
『あらあらお疲れ様です』
そっか。
任務が終わって帰るには随分と遅い時間だなーなんて思ったけど…そう。夜型の呪霊。
あ、ちなみになんだけど、呪霊には今みたいに夜型とか特定の時間帯にしか出てこない奴も居てね。
夜型はどっちかというとザラに居る方だけど、昼型とかはレアなケース。その他にも雨型とか雷型とかいろいろ居てね…厄介な事この上ないよ。
ま、なんだかんだ言って祓うのが呪術師だけどね。
「つーかお前、散歩行くんだったら俺も付き合うよ」
『え…? いやいや五条は疲れてるでしょ? 散歩くらい私一人で行けるしいいよ』
「別にいいだろーそれとも何、俺が付いてくんの嫌?」
『…嫌というかよりかは申し訳なさが勝つの』
「なんだそれ。で、結局はどっちなんだよ」
『…嫌じゃない』
「へーへー。ほら行くぞ」
そんなやり取りを交わしている間にもスタスタと先を歩いて行く五条。
私は少し後ろから小走りでその後を追った。
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作者名:すば | 作成日時:2022年11月20日 20時