第九十五話 彼女の願い ページ45
そうかもね、だから願ったの。消えたいって。でもローレンヌ様が消えるにはこの世界はあまりに小さすぎて、弱すぎる。仮に消えられるほどの力があってもローレンヌ様が消えて瞬間世界は消滅する
どうすれば世界とローレンヌ様は救えるの?
わからないわ。わからないから託したの。
新しいユーグスタクトに?
そうよ。
ローレンヌの願いはわかった。じゃあセイラの願いは?
私?そうねぇ・・・この世界に私が戻ってきたい思えるほど素敵な場所になったらなぁて。私ね、恋をしたことがあるの。その人は家族を持った。私じゃ見ることも知ることもなかった幸せを見せてくれて、教えてくれた。
セイラはその人が、好き、だったの?
えぇ、愛していたわ。でもその人たちは醜い欲望のせいで消えていった。幼かった娘を巻き込んでね。その人たちは呪いで殺されたから呼び戻すことなんかできないけど、いつかアリスと一緒にこの世界で生きてみたいなって。
そういうと彼女は空を見上げた。しかしその紅い瞳に青空は映っていない。どこか遠くを見ていた
そしてね、ユーグスタクトの仕組みを壊して、優しい母親になるの。そのためにいろいろ頑張ってみたけどもう時間切れになっちゃったみたい。あはは、今日はいっぱいおしゃべりをしたわ。あー楽しかったわね
―――セイラ・・・セイラは・・・
さてと、もう行くとしようかな。時間だもの。
そういい立ち上がるセイラ
もう会えるのはこれで最後よ。今までありがとうね、ルネット。大好きよ
まって!!!
またないよ。
そう笑顔で言い残しその姿は消えた
そう
忘れていた
いつだって彼女は自由
忘れない
彼女の寂しい笑顔を
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時