第八十八話 侵入者 ページ38
「侵入者確認!今すぐここから追い出せ!人間どもの侵攻を許すなっ!!」
アストリッドの叫び声が礼拝堂に響く。使者が不気味に出来た空間の切れ目に向かっていく
「なに・・・なんでここに・・・そんなことよりも・・・」
ガシャンと何かが壊れる音
静寂の城が喧騒に包まれる。足音は破壊しながら城を回っている
「っ・・・」
今だ侵入されたことのない城
記録を辿っても解決方法は出てこない。当たり前だ
この空間は襲撃されることなんて予想されていないのだから
悪態をつきながら城の奥へと向かう
「だめっ、私の大事な場所なの!お願いだから・・・壊さないでっ!!」
アストリッドの願いも虚しく破壊音が城内を包み込む
「なんでよ!なんでっ・・・あっ・・・」
「いたぞ!ターゲット確認!」
廊下の先にいる集団
ようやくこれが現実なのだと理解できた
この城にいるはずのない存在
この城にいてはいけない存在
「捕らえろっ!!」
男たちが襲い掛かる
「いやっ!やだっ!!」
踵を返し来た道を戻る
階段を飛び降りて玄関ホールに向かう
とりあえず逃げる事しか頭にない
どうしたらいいのかもわからない
玄関ホールには見たことのある青年と紫の髪の魔女がいた
「へぇー。こんなところに住んでいたんだぁ!あははっ!おっもしろぉーいっ!!」
階段の上から二人を見下ろすアストリッド
「っ・・・・・・お前が・・・」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時