第六十六話 アミエリタの思考 ページ16
「リッド?どうしたの?」
空間が歪み訪れた客人は悲しそうな顔をしてやってきた友人の姿であったことに驚き駆け寄るアミエリタ
「あのね、アミタに見てもらいたいものがあるの」
ローブの中からセイラの日記を取り出しアミエリタに見せる
「触ってもいい?」
「うん。アミタにも読んでもらいたいの。それでね、どう思ったのか聞きたいの」
「いいよ」
表紙を開いたアミエリタは驚いたように目を見開いた
「セイラのね?」
「うん。ママの部屋に行ったらあったの・・・暗黒の厄災はね・・・・・・ママが引き起こしたんだ・・・」
「そっか、セイラが・・・それについて書いてあるのね?」
「うん」
「じゃあ読むね?」
そっと表紙を開き日記を読むアミエリタ
それをじっと見つめるアストリッド
「―――うん・・・」
読み終えたのか背表紙を閉じ、目を瞑った
「アミタ・・・?」
「ねぇリッド。」
「なに?」
「私がセイラと初めてあったのは暗黒の厄災の後なの。ここは他とは全然時間の流れが違うから、詳しい時間系列はわかんないけど・・・初めて会った時・・・セイラはもう壊れていたの。核があなたに移って、後は滅びを待つだけだった。セイラは一度もアレクとかいう人間の話はしなかったの」
「私もママからそんな話は聞いたことなかった。なんでママは話してくれなかったの?」
「・・・わからないわ」
(自分の罪の重さをわかっていたからこそ・・・何にも知らないこの子には知られたくなかった・・・これで納得が出来た。なんでセイラはリッドのことを愛していたのか。そんな機能なんてないはずのユーグスタクトが次世代を愛し、そして歴代のユーグスタクトとは何かが違うリッドが生まれたのか)
「アミタ??」
「ねぇリッド。スティフィーの所に行ってみて。きっと先代の御子のテオドシアも何か隠しているのかもしれないから」
「う、うん。わかった。ちょっと行ってみるね」
日記をローブの中に入れ空間を歪め少女は消えていった
(それでもまだ納得の出来ないこともある。リッドがユーグスタクトとは何か違う理由。セイラの日記だけじゃ説明出来ない。どうしてリッドはユーグスタクトの運命を知らないのか。なぜリッドは封印石を襲っていたのか・・・分からないことだらけだ・・・)
アミエリタが思案していると空間が揺れだした。
この感じは友人のものではない。
また願いを叶える。
思考を一旦止め揺れる空間を見つめる
そこから人間の男が現れる
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時