いつか花咲くその日まで～小さな願い～ (ページ9)

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第八話　あなどれない男ページ9

そのカバンは淀切が最初に部屋に入ってきた時に持っていたアタッシュケースだった

「あなたのことも以外にあなどれないね。最初から3500万用意するなんて。話の主導権は握っていたつもりだったのに。なんかムカつくかも。全部淀切の思い通りになったみたい」

不満を述べながらも紙幣の数を数え始めた。
枚数がかけてないことを確認しチャック閉めるとカバンを片手に立ち上がった

「それはお互い様でいいのでは？…帰るのかね？」

「うん、仕事は終わった。お父様に事後報告とかしないといけないしさっさと帰って寝たいもん」

「では送ろうか？こんな早朝に、それもまだ小さな女の子が1人大きな荷物を持っているのはかなり目立つき不自然だぞ」

現在時刻は朝6時半過ぎ。確かにこんな時間では幼いアリスはどうしても目立ってしまう

「…確かにね。小さいって言われるとムカつくのはいいとして仕事帰りに迂闊に警察のお世話にはなりたくないし…言葉に甘えさせてもらうよ。…ただし、無料送迎してくれるなら。それと近くの駅まででいいよ。あとは私の部下が迎えにきてくれるように頼むから」

「もちろん無料でいいぞ。君が警察のお世話になると私にも被害がくるからな。…それにしても君といいあいつといい関係者以外にはあまり屋敷には近づいて欲しくないのだな…ついて来い」

アリスは淀切の後を大人しくついて行き部屋を出ると車に乗り込んだ。
もちろん淀切の部下が運転をして淀切とアリスは後部座席に並んで座った

「だって屋敷の警備は結構厳しいし侵入されたことは一度もない。だからだよ、だからできるだけ情報を漏らしたくないわけ」

「この闇の世界では君たちの組織はかなり有名だ。そしてそこには君がいる。敵にまわしたらどうなるかくらいは誰でも知っていることだ」

「知っていて敵にまわるバカも呆れるほど沢山いるけどね」

面白そうに笑いながら言う少女に心の奥底から呆れる。2人はそれ以上会話することなく待ち合わせの場所についた