Street Blues ４

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ぎゅって抱きしめて、
回した腕はAちゃんの鎖骨のあたりにあって。


顎を肩に乗せて、
ほっぺたにキスする。


一旦、溢れた気持ちを、
どう閉じ込めるんか、分からんなってしもた。


「なあ、もっかい、
あの可愛いキス、して欲しいな？」


耳元にお願いして、
抱いてた腕はほどいて、
俺の方に体ごと向けさせたけど、


俺の肩におでこつけて、
顔は見せてくれへん。


「Aちゃん、いじめてんの？」


聞いたら、
ううんって、首を横に振る。


「こっち向き？
じれったい」


「向いたら、またからかってくるもん・・・」


からかった覚えなんかないのに。


俺はひたすら甘々に浸ってたいだけやのに、
Aちゃんは緊張してんのかも。


彼氏はだいぶ長いことおらんて、
いつも嘆いてやるから・・・


いや、俺も１年ぶりぐらいやけど。


今は緊張なんかしてたらもったいないいうか、
でれでれにAちゃんに溶けてるから、
緊張なんて感じてる間ぁない。


「からかえへんて。
こっち向き？」


「ほんま？もう意地悪言わん？」


ちらって俺を見上げた顔が可愛いて。

思わず、笑みがこぼれる。


「意地悪なんか絶対に言わん。
Aちゃん、緊張してんの？
めっちゃ可愛い・・・」


ぎゅってしてあげたのに。


「それが意地悪やんか。
たあなんか、嫌。
なんか、今までと違うもん」


ちょっと怒って、
少し俺と距離取る。


けど、そっと、
俺の手首を取って、
揺らしてくるねん。


拗ねて甘えてんねや。

かあわいい。


「そら、今までとは関係が違うねんなら、
当たり前やん」


俺も呼び捨てにしてええかな。


いや、たあなんて、
ペットみたいな呼び方やなくて、

ちゃんと名前で呼んで欲しいな。


少しずつでえっか。

ゆっくりほんまもんの恋人になっていけば。



とりあえず、今の俺。

幸せ過ぎて、原型なくなるまで溶けそうや。

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