Street Blues ４

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けどすぐに、にこって、
我が弟ながら可愛い笑顔になった。


「へぇ。
もおそんな仲良しになってんやあ。
姉ちゃん、良かったやん。
久々の彼氏」


飛び上がりそうに喜んでるから、
恥ずかしくて。


「違うって。
失恋したから。
それで、たあは慰めてくれてん。
終電逃しちゃったから、
泊めただけ」


早口に言い訳してしまう。


「失恋？
村上くんに？」


章大に聞き返してくる。


「うん。まあ・・・
村上くん、奥さんおるねんて」


章大、絶句しちゃって。

内心、村上くんに対して、
怒ってるのが分かる。


章大は昔から私には特別に優しいねん。

やから私も章大を特別に可愛いと思う。


「なあ、もうそろそろクリスマスやんか。
大倉、休み？」


急に話題、変えたりして。


「俺は仕事ちゃうかな。
まだシフト見てないけど、
イブは予約結構入ってるから・・・
あ。良かったら、
ヤスとAちゃんでおいでや。
クリスマスディナーするねん。
いつもよりお得やし。
割引券渡すわ。
カウンター席なら、
従業員枠でまだ取れると思うねん」


たあがそう答えて、
財布の中から、
２枚、チケットをくれた。


「ありがとおな。
姉ちゃん、楽しみやな。
フレンチやで」


章大が嬉しそうに、チケットを眺めてる。


「章大、彼女と行かんでええん？」


今日も土曜日で休みのくせに、
妙に早く帰って来た。


また別れたんかな。


「うんまあ。
ええねん。
ちょっと・・・」


曖昧な返事。


「別れたん？」


ずばっと聞いたら、


「ちゃうねんて。
ちょっと喧嘩してるだけ」


やって。


めっちゃあやしい。


章大と喧嘩出来るって、どんな子？


私、２歳９ケ月の時から一緒に育ったけど、
喧嘩なんかほとんどした事ないけど。



たあが、腕時計で時間確かめて、
立ち上がった。


「俺、そろそろ出勤するわ。
ここからのが近いから得した気分や」


言うて、
ブーツ履きかけた時にちょうど、
インターフォンが鳴った。


「朝から誰やろ」


章大が不思議顔してる。


まだ朝の１０時過ぎ。

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