すとぷりの大切な紅一点【１１】

生まれてから、 ページ42

莉犬side






俺は生まれてから、色々なことを経験した







親友が亡くなってしまう事







自分の普通は他の人にとって普通じゃないこと









自分は障害者だということ









＿莉「俺は、性同一性障害というもので……」









性同一性障害を発表してからというもののいろんな人から意見が来た









「莉犬くん、無理しないで！！」
「莉犬くんは悪くないよ！！」









みんな、こう言ってくれる









でも、









それ、本当に思ってる？って思っちゃうんだ









「莉犬くん、頑張ったね」









言葉は時には刃物になる









自分がそう思ってたとしても相手は違う意味で受け取ってしまうことがある









それに、俺は正直それが苦痛だったんだ









頑張ってと言われる度に何かが引っかかって体が重くなる









こんな俺、自分でも大嫌いだ









でも、何故か柚の言葉はその何かを取り除いてくれる









＿『莉犬がいるから今のすとぷりがあるんだよ』
＿『私は莉犬のことが大好きだよ』
＿『辛かったでしょ。全部吐き出しな？』









他の人が言えば多分俺にとって重荷になってたと思う









でも、柚だけは違うんだ









それは多分、俺にとって柚は特別な子だから









この気持ちは伝わることがなかったけれど









俺はずっと柚のことが大好きです









これからも、よろしくね

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