すとぷりの大切な紅一点【１１】

▽ ページ22

ななもり。side






『やらなきゃならないことがたくさんあるの。だから休むなんてできない。だから、なーくんの言うことでも聞けない』








な「…、いい加減にしろよっ！！！」








初めてこんな大きい声で叫んだ




しかも柚に。







柚は大きな目をさらに大きく見開いて俺を見る








な「リスナーさんのことを想う気持ちはわかるよ！でも、自分の体のことも考えてよ！！」









柚の両肩に手をおいて俺は話を続ける







な「無理して倒れたら今まで積み重ねてきたものが元も子もなくなるんだよ！それに、どれだけ凄いことをしても俺たちが元気じゃなきゃ意味ないんだよ！リスナーさんたちにたくさん心配させることになるんだよ！！」









『ご、ごめんっ…』







柚が涙を流しながら謝る






な「ううん、泣かなくていいんだよ」







そう言って俺は柚の涙を拭う







な「わかってくれたらいいんだよ。柚が頑張ってるのはみんなわかってるから。でも、頑張りすぎるのはよくないよ。自分のこともちゃんと考えないと」









『…っ、うんっ…！ありがとっ…』







柚はそう言って俺の胸に顔を押しつけた









な「大丈夫だよ」









ごめん、ころちゃん。





今だけは許してもらえないかな…









俺は心の中でころちゃんに謝りながらおれの胸に顔を埋める柚の頭を優しく撫でた

▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す